NPB(日本野球機構)がフジテレビへの取材証没収問題で声明発表

2025.5.20

NPBがフジテレビへの取材証没収問題で声明 

公取委の警告案に「受け入れがたい」と反論

プロ野球の統括団体である日本野球機構(NPB)は19日、昨年の日本シリーズでフジテレビの取材証を取り上げた問題について、公正取引委員会(公取委)が警告を出す方針を固めたとの報道を受け、公式声明を発表した。

 

声明では、

「本日、公正取引委員会より、今回の事案に関する警告の案について通告を受けましたが、警告の前提となる事実認定や評価に重要な誤りがあり、法解釈としても疑義があるなど、当機構としては受け入れがたい」と反論。

正式な警告が決定し、公表された時点で改めて見解を明らかにする、としている。

 

▪️問題の経緯:なぜ取材証が没収されたのか?

問題となっているのは、2024年に行われた日本シリーズ(プロ野球の年間王者を決める試合)で、フジテレビの記者の取材パス(取材証)をNPB側が没収したという事案。

フジテレビは同時間帯に、メジャーリーグ・大谷翔平選手の特集番組を録画放送しており、これがNPBの主催する日本シリーズの中継とかち合う形になった。

これに対しNPBが「大会の宣伝や放映権の価値に影響する」と判断し、

フジテレビの取材活動を制限したと見られている。

 

▪️公正取引委員会の見解:独占禁止法違反の恐れ

公取委はこの行為について、フジテレビに対する「不公正な取引制限」に該当する可能性があるとし、近くNPBに対し「再発防止を求める警告」を行う方針と報じられている。

 

▪️独占禁止法ってなに?

独占禁止法とは、企業や団体が市場での競争を不当に制限したり、特定の相手を不利に扱ったりすることを防ぐ法律です。NPBが取材証を取り上げることでフジテレビの報道の自由や競争を不当に妨げたとすれば、これが独禁法に抵触する可能性があるというのが公取委の考えとされている。

 

▪️NPBの反論:「事実に誤りがある」

一方、NPBは公取委の判断の前提となる事実関係や法律解釈に誤りがあると主張しており、「警告案をそのまま受け入れることはできない」と強く反発している。

正式な警告が出された後、NPBは改めて詳しい見解を発表するとしているが、メディアとの関係性や公正な報道環境のあり方、そしてスポーツ団体の権限と責任について、今後も議論を呼ぶことになりそうだ。