野杁正明選手が試合前に左足指を脱臼骨折していた 準決勝中にも再骨折を告白「痛いものは痛かった」
10月17日に行われた「ONE SAMURAI」のフェザー級キックボクシングトーナメント準決勝を前に、左足の人差し指を脱臼骨折していたことを明かした。
さらに、試合中にも同じ箇所を再び骨折したという。
負傷の影響で移動やステップにも支障が出るなか、野杁選手はイランのモハマド・シアサラニ選手との接戦を判定2―1で制し、決勝進出を果たしていた。今回の告白によって、勝利の裏にあった厳しいコンディションと、リングに立ち続けた覚悟が明らかになった
■ 追い込み練習で負傷 蹴りを制限されたまま試合へ
野杁選手によると、負傷したのは試合前の追い込み練習中。三日月蹴りを放った際に左足の人差し指を痛めたという。
当初は脱臼と考え、近くの接骨院で処置を受けた。その後は指を固定しながら練習を続けたものの、移動やステップを踏むことも難しい状態だった。
練習では、その場で打つパンチを中心に調整。得意とする蹴り技についても、試合当日のウォーミングアップで十分に使えなかったという。
キックボクシングにおいて、足の指は踏み込みや体重移動、蹴りの動作にも関わる。下半身の動きに制約が生じれば、攻撃だけでなく距離の調整や防御にも影響しかねない。そうした状況で準決勝に臨んでいたことになる。
■ 試合中に再び骨折 ドクターストップを懸念し、自ら応急処置
負傷を抱えながらも、野杁選手は試合で蹴りを出す覚悟をセコンドと共有していた。
しかし、試合中にもアクシデントが起きる。野杁選手は投稿で、第2ラウンドに三日月蹴りを放った際、再び指が曲がる感触があったと振り返った。
ドクターによって試合を止められる可能性を考え、試合中に自ら床を蹴って指を戻したという。試合を続けるために取った行動だったが、それだけ負傷の状態が深刻だったこともうかがえる。
野杁選手は当時の心境について、「やはり痛いものは痛かったです。笑」と率直につづった。
試合後に病院で診察を受けたところ、9月の負傷時点ですでに脱臼骨折しており、回復しかけていた箇所を試合中に再び骨折したと診断された。指が曲がってしまっていることから、手術が必要になる可能性もあるという。
接戦を制した勝利の陰には、本人が明かした痛みと、試合を最後まで戦い抜くための判断があった。
■ 12月、2027年1月の試合オファーを辞退 復帰の見通し立たず
野杁選手は今回の投稿で、12月または2027年1月に予定される試合のオファーを辞退したことも報告した。
「正直いつ復帰できるかも分からないですし、いつから普通に練習出来るかも分かっていません」
現時点では、競技復帰だけでなく、通常の練習を再開できる時期も見通せていないという。
トップレベルで戦い続ける選手にとって、試合から離れる期間は競技力やコンディションを維持するうえでも難しい時間となる。それでも野杁選手は、焦る気持ちを抱えながら、今後さらに世界の強豪と戦うためにも、まずは負傷をしっかり治す方針を示した。
次にファンの前で戦うときには、今まで以上に強くなって戻ってくると誓った野杁選手。一方、12月開催が示唆されているトーナメント決勝については、
負傷からの回復状況や復帰時期が今後の焦点となる。
【文:高須基一朗】

