【ボクシング】但馬ミツロ&千本瑞規 12・18 夫婦同日出場決定「王者カップル」を目指す
12月18日の堺で、ボクシング界でも珍しい“2人の物語”が動き出す。
TMKジムが8日に発表した次回興行で、東洋太平洋クルーザー級王者の但馬ミツロ選手(31)が初防衛戦に登場することが決定。
同じ興行に
元東洋太平洋女子ミニマム級王者の千本瑞規選手(32)も出場する。
但馬選手は王者としてベルトを守る防衛戦。
一方の千本選手は、2022年9月以来となる約4年ぶりの実戦復帰だ。
立場は違うものの、2人が目指すのは同じリングの上で結果を残し、
新たな「王者カップル」の形をつくることになる。
▪️但馬ミツロ、今度は「体重差なし」の再戦
メインイベントを任された但馬選手の相手は、東洋太平洋クルーザー級3位のナタポン・プランピマーイ選手(33=タイ)。
注目すべきは、今回が両者にとって2度目の対戦になることだ。
初対戦は2022年11月。当時はヘビー級での試合となり、但馬選手が1回34秒という短時間でKO勝ちを収めた。
しかし、今回は状況がまったく違う。
クルーザー級王座を懸けた一戦だけに、前回のような大幅な体重差はない。但馬選手自身も、以前は体重差を生かした戦い方だったと説明している。
だからこそ今回は、パワーだけではなく技術面が問われる。
「ジャブからボクシングをつくって、スピード差をフィニッシュにつなげたい」
王者として迎える初防衛戦で、但馬選手がどのようなボクシングを見せるのかが焦点になる。
▪️5戦5勝で止まった千本瑞規が4年の時間を越えて復帰
そして、この日のもう一つの主役が千本選手だ。
2018年にプロデビューした千本選手は、わずか3戦目で東洋太平洋女子ミニマム級王座を獲得。プロ5戦5勝という無敗の戦績を残したまま、2022年9月を最後にリングから離れていた。
本来なら、さらに上の舞台を目指していても不思議ではないキャリアだった。
しかし、試合が決まらない時期が続き、王座を剥奪されるなど、競技力とは別の部分でボクシングから距離が生まれていった。
それでも、完全に気持ちが消えたわけではなかった。
但馬選手を支える日々の中で、再び自分もリングに立ちたいという感情が芽生えた。
そして2026年春、本格的なトレーニングを再開。
「やっぱり私はボクシングが好き」
その思いが、4年ぶりの復帰を決める原動力になった。
▪️「あの時、世界に挑戦していれば」後悔を残さないための復帰
千本選手が復帰を決めた理由には、もう一つ大きな思いがある。
それは、世界挑戦を果たさないまま現役を終えることへの心残りだ。
これまで積み上げてきた実績を考えれば、まだ終わったとは言えない。
だからこそ、もう一度リングへ戻る。
復帰戦の相手はサシトーン・ファント選手(22=タイ)。49キロ契約の6回戦で、約4年ぶりの実戦に臨む。
ブランクは長い。
だが、その時間を経たからこそ、もう一度戦う意味も大きくなった。
▪️セコンドも互いに担当「同じ興行」が2人の新章になる
今回の興行では、単に2人が同日に試合をするだけではない。
試合当日は、但馬選手と千本選手が互いのセコンドに入る予定だ。
リングの外ではパートナーとして支え合い、
リングの上ではそれぞれが自分自身の戦いに挑む。
但馬選手は、こうしたカップルの競技生活は決して多くないとしたうえで、2人だからこそ発信できるものがあると考えている。
男子軽量級の選手たちが注目を集める現在のボクシング界で、千本選手は女子ボクシング、但馬選手は重量級という異なるカテゴリーから存在感を示す。
2人が同じジムで汗を流し、同じ日にリングへ上がること自体が、一つのストーリーになる。
▪️まずは「2人とも勝つ」その先に王者カップル
但馬選手の戦績は14勝(12KO)2敗。
ナタポン選手は24勝(20KO)7敗をマークしている。
千本選手は5戦5勝(1KO)と無敗。
対戦相手のサシトーン選手は2勝(2KO)3敗1分けとなっている。
王座防衛を狙う但馬選手と、4年ぶりの復帰戦を迎える千本選手。
12月18日に必要なのは、華やかな言葉ではなく、
それぞれがリングで勝利をつかむことだ。
その先にあるのが、2人が掲げる「王者カップル」という目標になる。
【文:高須基一朗 瞬刊モッツ 編集部】

