中谷潤人選手が井上拓真選手との対戦に「全然やります」 再浮上する日本人トップ対決 実現なら大観衆を集めるビッグ興行へ
プロボクシング元世界3階級制覇王者の中谷潤人選手(28)=M・T=が、
井上拓真選手(30)=大橋=との対戦に改めて意欲を示した。
中谷選手は30日に在住する神奈川県相模原市の相模原警察署で一日警察署長を務めた。
27日には東京・トヨタアリーナ東京で開催された「Prime Video Boxing16」をリングサイドから観戦。メインイベントで井上拓真選手が那須川天心選手を3―0の判定で下した一戦を見届けた。
そこで目にした拓真選手の戦いぶりについて、中谷選手は「展開的には井上拓真選手がやりやすいタイミングでボクシングをコントロールしていた」と評価。一方で那須川選手のパンチも要所で当たっていたとして、「どうなるのか、スリルがある試合だった」と振り返った。
井上拓真選手は10カ月ぶりとなった那須川選手との再戦で、12回判定勝ち。
WBC世界バンタム級王座の2度目の防衛に成功した。
前回対戦から時間を置いた再戦でも試合の流れを掌握し、終盤までペースを崩さなかった。その戦いをリングサイドで見た中谷選手が評価したのが、拓真選手の試合運びだった。
中谷選手と拓真選手には、かつて統一戦の構想があった。
昨年2月にはWBA、WBC世界バンタム級王座統一戦が計画されていたものの、拓真選手が2024年10月のWBA世界同級王座3度目の防衛戦で堤聖也選手に判定負け。中谷選手との対戦は実現しなかった。
それだけに、今回の中谷選手の発言は、過去に流れたカードが再び浮上する可能性を感じさせるものとなった。
「お互いに1回やっているので、ある程度分かっている状況で闘う」
そう語った中谷選手は、拓真選手がスーパーバンタム級へ転級する可能性についても「可能性としては全然あると思います」とコメント。そして、拓真選手との対戦について問われると、
「全然やります」
と意欲を示した。
▪️中谷×拓真なら「人を集める」大型興行に
このカードの魅力は、単純な日本人トップ選手同士の対戦というだけではない。
中谷選手は現在、世界3階級制覇を達成し、32戦32勝から井上尚弥選手との東京ドーム決戦に臨んだ世界的な実績を持つ。対する拓真選手も、井上尚弥選手の弟として知られるだけではなく、自ら世界王座を獲得し、今回の那須川選手との再戦でも王者としての存在感を示した。
両者がリングに上がれば、ボクシングファンにとって見逃せない日本人トップクラス同士の対決となる。
さらに興行面でも、非常に大きな意味を持つ。
中谷選手には、井上尚弥選手との東京ドーム決戦を経験したことで広がった注目度がある。一方の拓真選手には、兄・尚弥選手との血縁だけではない、世界王者として積み重ねてきた実績と、今回の那須川選手との再戦を通じて高まった話題性がある。
この2人の名前が並ぶだけでも、ボクシングファンだけでなく、普段はボクシングを見ない層まで関心を向ける可能性がある。
会場の規模や開催時期、階級などによって興行の形は変わるものの、実現すれば多くの観客を集めることが期待されるカードだ。
▪️那須川戦を終えた拓真、次なる舞台にも注目
大橋ジムの大橋秀行会長は、拓真選手が今後スーパーバンタム級へ転級し、世界2階級制覇を狙う可能性に言及している。
その場合、中谷選手との対戦を実現させるためには階級やタイトルの状況など、クリアすべき条件も出てくる。
それでも中谷選手自身が「全然やります」と口にしたことで、
ファンにとっては一つの大きな夢のカードの選択肢として浮上した。
中谷選手は5月2日、東京ドームで4団体統一世界スーパーバンタム級王者の井上尚弥選手に挑戦。32戦全勝同士の対決として大きな注目を集めたが、12回判定で敗れ、プロ初黒星を喫した。
さらに尚弥戦で左眼窩底骨折を負い、手術を受けた。
その後、医師からの運動再開許可を得て8月1日にジムワークを再開。
現在はマスボクシングも行っており、再起戦は来年になる見込みだ。
▪️「中谷潤人×井上拓真」は次なる大型カードになるか
中谷選手にとっては、尚弥選手との東京ドーム決戦を終えた後の再出発。
拓真選手にとっては、那須川選手との再戦を制して世界王者として存在感を示した直後。
それぞれのタイミングが重なることで、「中谷潤人対井上拓真」というカードには、競技としての面白さだけでなく、興行としての大きな可能性も生まれている。
世界トップクラスの実績を持つ中谷選手と、世界王者として再び評価を高めた拓真選手。
実際に対戦が決まれば、どの会場で開催されるのか、どれほどの観客を集めるのか、そしてどのような興行になるのか。
中谷選手の「全然やります」という一言は、眠っていた大型カードを再び表舞台へ引き上げるきっかけになった。


