フィギュアスケートのりくりゅうペア”が現役引退を発表 五輪金の歴史に幕も「2人で新たな挑戦へ」

2026.4.17

【©️ISU】

三浦璃来選手(24)と木原龍一選手(33)によるフィギュアスケート・ペア“りくりゅう”が4月17日、今シーズン限りでの現役引退を発表した。所属する木下グループの支援のもと、ミラノ・コルティナオリンピックで日本ペア史上初の金メダルを獲得した歴史的コンビが、一つの時代に区切りをつける。


2人は連名コメントで「今シーズンをもちまして現役を引退することを決断しました」と報告。競技生活を支えてきた関係者やファンへの感謝を繰り返しつづり、「私たちはやり切ったという気持ちでいっぱいで、悔いはありません」と完全燃焼を強調した。

一方で、その言葉の中には“終わり”だけではなく、“次のステージ”への明確な意思もにじむ。「これからもペアを、日本の皆様にもっと知っていただけるよう、新しいことに2人で挑戦していきます」とし、競技引退後もペアとして活動を続ける方針を打ち出した。

この発言から透けて見えるのは、木下グループとの強固なパートナーシップのもと、アイスショーを軸とした新たな展開に踏み出す可能性だ。近年、フィギュア界では競技引退後にアイスショーへ活動の主軸を移す流れが加速しているが、“りくりゅう”の場合は、その枠にとどまらない構想が見込まれる。

 演技力と物語性を兼ね備えた2人のスタイルは、単なるエキシビションを超え、舞台芸術としてのアイスショーの価値を引き上げるポテンシャルを持つ。木下グループの興行・演出面でのノウハウと結びつくことで、国内外に向けた新たなコンテンツ創出へと発展する余地は大きい。

 さらに言えば、その先にあるのは、アイスショーというジャンル自体の“文化的昇華”だ。日本の歌舞伎が長い年月をかけて芸能から伝統芸術へと発展してきたように、フィギュアスケートの表現もまた、世代を超えて受け継がれる文化へと進化する可能性を秘めている。

 五輪金メダルという頂点を極めた“りくりゅう”が、その担い手となるのか。競技者としてのキャリアに幕を下ろした今、新たに始まる“表現者”としての挑戦が、日本フィギュア界の未来を大きく左右することになりそうだ。


【文:高須基一朗】