盤石な強さ!主導権は90%─堀口恭司選手がUFCで証明した“完成度”。復帰2連勝の先に見える王座への現実味

2026.2.8


【©️UFC】

フライ級戦線に、あらためて「堀口恭司」という名前が刻み込まれた一夜だった。

2月7日(日本時間8日)、米ラスベガスで開催された「UFCファイトナイト」。セミファイナルに登場した堀口恭司選手は、フライ級6位のアミル・アルバジを相手に、打撃で主導権を握り続け、判定3―0の完勝。UFC復帰後2連勝を飾った。


 

▪️序盤のフラッシュダウン・・・それでも崩れなかった理由

試合開始直後から、堀口選手は強烈なインローで、下に散らせる攻撃を多用して流れを引き寄せた。得意の長距離の間合いから繰り出すパンチは鋭く、アルバジの顔面を正確に捉える。だが、第1ラウンド中盤、不意の被弾でフラッシュダウンを喫する場面もあった。

しかし、ここで堀口選手は慌てない。深追いを許さず、即座に立て直すと、その後は再び自分の距離を取り戻した。ヒヤリとした瞬間はあったが、流れを渡すことはなかった。

第2ラウンド以降は、まさに“堀口劇場のスタート。

打撃で距離を支配し、的確なパンチを積み重ねる。

第3ラウンドにはアルバジの動きに明確な鈍さが見え始め、ダメージの蓄積は明白だった。

フィニッシュこそ届かなかったものの、

試合を通して主導権は堀口選手にあったと言っていい。

 

試合後、堀口選手は淡々と語った。

「きょうのパフォーマンスは、まあまあかな。次はもっといいパフォーマンスをしたい」

この言葉は、余裕の裏返しでもある。UFCフライ級6位という強豪を相手に、ほぼ危なげなく試合を制御しながら、本人の自己評価は及第点止まり。完成度は高いが、まだ上を見ているという意思表示だ。

そして、次に発した言葉が、この日の試合の意味を一段引き上げた。

「今の王者は誰? ヴァンかな? 君と試合がしたい」

現フライ級王者、ジョシュア・ヴァンへの明確な挑戦表明。

これは単なるリップサービスではない。

 

▪️9年越しの再挑戦、その現在地

堀口選手bは2013年にUFCデビューし、破竹の4連勝後、チャンスが訪れる。

当時、最強の名を世界に轟かせていた絶対王者だったデメトリアス・ジョンソンに挑戦。

しかし、5ラウンド残り1秒で一本負け。歴史に残る惜敗だった。

その後、UFCのフライ級縮小を背景にRIZINへ主戦場を移し、日本人初のベラトール王座獲得、RIZIN二階級制覇という偉業を成し遂げた。国内外で“やるべきこと”をやり尽くした上で、2025年に再びUFCの舞台へ戻ってきた。

復帰初戦ではタギル・ウランベコフを相手に3ラウンド一本勝ち。そして今回、ランキング上位のアルバジを完封に近い形で下した。

9年という時間を経て、堀口選手は“挑戦者”ではなく、“現実的な王座候補”としてフライ級戦線に戻ってきたと言える。

 

日本人初のUFC王者へ─現実味を帯びた視界

「年内にベルトを獲りたい」

その言葉が、もはや夢物語に聞こえないのが、今の堀口恭司選手だ。

打撃、距離感、試合運び、そして一瞬のミスから立て直す冷静さ。すべてが高い次元で噛み合っている。

フライ級の頂点は、決して遠くない場所にある。