世界の強豪が「即OK」を出す理由―与座優貴、オランダで示された“国境を越えた評価”
【©️ONE Championship,】
その評価は、すでに国内の枠に収まるものではない。
キックボクシング界で存在感を高め続ける与座優貴(team VASILEUS)が、世界のトップファイターたちから対等な相手として扱われていることを示す出来事が、オランダで起きた。
現在、武者修行のためオランダに滞在中の与座は1月29日、自身のSNSで、ONEのトップ戦線で活躍するマラット・グレゴリアンとのスパーリングが決定したことを明かした。注目すべきは、その成立過程だ。
与座選手がグレゴリアン所属のHemmers Gymを訪れた際、本人は不在だった。
しかし事情を知ったジム会長が、その場でグレゴリアンに電話を入れ、即座に日程が決定。与座は「楽しみや」と短く綴ったが、この一連の流れは、世界が彼をどう評価しているかを如実に示している。
▪️トップジムが即断した背景にある「信頼」
世界のトップジムにおいて、スパーリングは単なる練習ではない。
怪我のリスク、戦術情報の流出、評価への影響――それらを踏まえたうえで、「組む価値がある」と判断された相手にしか扉は開かれない。
その判断が即座に下されたという事実は、与座が“学びに来た若手”ではなく、実力と実績を備えた存在として認識されていることを意味する。
与座選手は2017年、極真会館の全世界大会を制した空手界のエリート。
2019年のキック転向後は、K-1、RISEで確実に結果を残し、2023年にはK-1 WORLD GPライト級王座を獲得した。
さらにONE参戦後は、ゴンナパー、ペッダムをKOで下し、元王者ペッタノンにも勝利。日本大会ではスーパーレックを判定で破り、一気に世界タイトル戦線で注目を集める存在となった。
戦績は22勝(9KO)2敗。その数字以上に、内容の説得力が海外関係者の評価を押し上げている。
▪️グレゴリアンと交わる意味「世界基準」での認識
グレゴリアンは、元K-1 WORLD GPスーパー・ウェルター級王者であり、ONEフェザー級で長年トップを争ってきた象徴的ファイターだ。アラゾフ、スーパーボン、シッティチャイらと拳を交えてきたそのキャリアは、“世界基準”そのものと言える。
階級が異なるにもかかわらず、スパーリングが成立する背景には、
与座選手が比較対象として成立する実力者と見なされている現実がある。
日本では「期待の存在」と語られることもあるが、
海外ではすでに「危険な相手」「軽視できない選手」として認識され始めている。
今回のオランダ滞在は、経験を積むためだけの遠征ではない。
世界の第一線で戦い続けてきた選手たちと自然に交わり、
評価を確かめ合う段階に入ったことを示している。
グレゴリアンとのスパーリングは、その象徴だ。

