無敗は“実績”か!? それとも幻想か!? ONEが突きつけた現実!陽勇選手が聖地ルンピニーで迎える真価の一戦
【©️ONE Championship】
無敗という数字は、時にファイターを守り、時に残酷な問いを突きつける。
ONE Championshipが、その問いを真正面から投げかけるカードを編成した。
2026年3月14日、タイ・ルンピニースタジアムで開催される
ONE Fight Night 41大会フライ級キックボクシング3分3Rの試合で
12戦無敗の新鋭・陽勇(ひゅう)選手が、
百戦錬磨のムエタイ戦士スーブラック・トー・プラン49と対峙する。
この一戦は、単なるマッチメイクではない。
ONEが“無敗神話”の真贋を測るために用意した、明確な踏み絵だ。
▪️初めて向き合う「キャリアの重み」
陽勇選手は、これまで順調すぎるほどのキャリアを歩んできた。
フルコンタクト空手で実績を積み、キックボクシングへ転向。
RISEでの経験を経て、2024年9月からONEに参戦すると怒涛の4連勝を飾る。
中でも2025年9月、同じく無敗だったジョーダン・エストゥピニャンをTKOで下した一戦は、その名を一気に世界へと広めた。
通算12戦12勝(4KO)。
しかし、この数字が「期待」から「評価」へと変わる瞬間は、まだ訪れていない。
今回の相手スーブラックは、陽勇選手にとって初めて対峙する“重さ”を持つ存在だ。
ONE参戦当初、4試合連続KO勝利と3戦連続ボーナスという衝撃的なデビューを果たし、一躍注目を浴びた男。
2024年以降は連敗も経験したが、再起戦では経験値を武器に立て直しを見せている。
勝敗以上に、修羅場の数が違う。
それこそがスーブラック最大の武器だ。
▪️距離を制するスタイルが試合の本質
両者の戦い方は対照的だ。
陽勇は、空手由来の多彩な蹴りを軸に、Team Mehdi Zatoutで磨かれたステップワークとコンビネーションを融合させた現代的なスタイル。
飛びヒザ、前蹴り、左ストレート、ボディへのヒザと、中間距離を支配する武器を豊富に備え、完成度の高さが際立つ。
一方のスーブラックは、ムエタイの枠に収まらない異端。
後ろ廻し蹴りを織り交ぜ、パンチ、ヒジ、ヒザ、崩しを自在に操りながら、
距離とリズムを破壊する。
相手を自分の土俵へ引きずり込む術を、経験として知っているファイターだ。
この対比こそが、ONEの狙いでもある。
“整った強さ”が、“荒れた現実”に通用するのか。
陽勇選手にとって、この試合は一勝以上の意味を持つ。
内容次第では、フライ級タイトル戦線への急浮上も現実的だが、
逆に精彩を欠けば「ここまで」という評価を突きつけられる可能性もある。
本人もその覚悟を隠していない。
「この試合の勝ち方次第で、年内タイトルは見える。日本大会にもつなげたい」
4月29日、東京・有明アリーナで開催される『ONE 175』 そして王座挑戦。
視線はすでに、その先を捉えている。
ルンピニーという聖地で、無敗神話は“本物”へと昇華するのか。
それとも、ONEが用意した現実の壁に阻まれるのか。

