前田大然選手、流血の決勝弾で存在感も…セルティックは新体制移行へ課題残す一戦に
【©️Celtic Football Club】
スコットランド・プレミアリーグは3日(日本時間4日)、
セルティックがホームでダンディーを1―0で下した。
最小得点差での辛勝となったが、クラブは試合前に
ウィルフリード・ナンシー氏の新監督就任を正式発表。
暫定でチームを率いてきたオニール監督にとっては
ラストマッチとなり、“新体制の課題”が早くも浮き彫りになる一戦となった。
決勝点を挙げたのは、FW前田大然選手(28)。
前半11分、味方シュートのこぼれ球に素早く反応し、相手DFとの激しい競り合いを空中で制してヘディングシュートを叩き込んだ。だが、その直後に右目上部を負傷し、流血。包帯を巻いたままピッチに立ち続ける姿は、前田らしい献身性と勝利への執念を象徴していた。
ただし、その奮闘ぶりは同時に“チームが攻撃面で前田の運動量と個の推進力に依存している”という現状を映し出したともいえる。先制後、セルティックは追加点を奪えず、試合の流れを完全に掌握しきれなかった。首位ハーツに勝ち点で並び、結果としては一定の前進を見せたものの、内容面で考えると盤石な勝利とは言い難い。
中盤ではMF旗手怜央選手がボールを保持する時間が多く、中盤を機能させた。
広い視野と精度の高い配給で攻撃のリズムを作り、チーム内で際立つ存在感を放った。一方で、チーム全体としての攻撃構築は依然として波があり、ナンシー新監督がどのように組織再編を進めるかが今後の焦点となる。
もしも、前田選手が移籍タイミングとなる1月に退団することになれば、その穴を埋めるのは容易ではない。それほどまでに前田選手の前線での存在は今のセルティックに不可欠であり、今回の試合でもその重要性を改めて証明する形となった。
暫定体制の最終戦を白星で締めくくったセルティック。
だが、新指揮官の下でタイトル争いを制するためには、個々の奮闘に依存しない、組織としての完成度をどこまで高められるかが問われそうだ。


