ONE173与座優貴選手、怪物スーパーレックをついに攻略“蹴り勝つ”という無謀を有言実行した夜─武尊選手の雪辱も果たす完勝劇

2025.11.16

与座優貴選手が遂に“怪物”スーパーレックをついに止めた。

【©️ONE Championship,】

バンタム級キックボクシング第10試合。
ONEフライ級キック王者、そして元ムエタイ王者でもある

スーパーレック・キアトモー9。
対するは元K-1ライト級王者で、ONE参戦後で無傷の与座優貴選手。
下馬評では“打倒スーパーレック”は長期計画と見られていたが

与座選手はその既成概念を静かにひっくり返した。


 

■1Rから真っ向勝負。“蹴りの怪物”を恐れない空手家

開始早々、場内はどよめいた。
与座選手は距離を取りながら様子を見るのではなく、

正面から蹴りを打ち込み、蹴りを受け、蹴りで返した。

飛び膝を狙うスーパーレックに対し、与座選手は空手由来の軌道の読みづらい足技で応戦。的確にローキック、カーフキックと三日月蹴り、顔面への前蹴りと、打ち分けて削り続けた。
「スーパーレックと蹴り合う」という、これまでの対戦のデータから判断するに勝機が消えるはずの選択肢を、与座選手は迷いなく突き進んだ。

 

■中盤、互角から“主導権”へ

2Rまでは完全なる攻防の応酬。
しかし3R、流れを変えたのは与座選手の冷静さと、徹底した準備だった。

・スーパーレックの軸足を外側から払い転倒させる
・タイミングをずらしたカウンターの右
・左フックから左ローへの「崩しの連打」

どれも派手さはないが、怪物の重心を確実に削る“職人技”。
圧倒的な力差を見せつける形で、判定は3-0。誰もが納得する内容で明確な勝利だった。
与座選手が遂に日本人としてスーパーレック声を成し遂げた。

 

■盟友・武尊選手の雪辱─そしてベルトへの道

スーパーレックは2023年、与座選手と同門の武尊選手を破っている。
その怪物を、与座選手は真正面から蹴り勝ち、殴り勝ち、戦術で上回っての完勝。
試合後の姿は派手に雄叫びを上げるでもなく、静かに両手を掲げるだけだった。

この勝利でONEで無傷の3連勝。
いよいよ、バンタム級の王座タイトルは“視界に入った”ではなく、
「射程圏内」に入った。