マーベリックス、ハリソンGMを解任“ドンチッチ後”の再建に苦戦、体制刷新へ踏み切る

【©️VINOTINTO BASKETBALL/Nico Tyrone Harrison】
ダラス・マーベリックスがチーム再建の舵を遂に切った。
現地時間11月11日、同球団はニコ・ハリソンGMの解任を正式に発表。
昨季のウェスタン・カンファレンス優勝からわずか1年、急激な成績不振を受けての決断となった。
ハリソンは2021年に就任後、ルカ・ドンチッチを軸にチームを再構築。
昨シーズンにはファイナル進出を果たすなど成果を上げたが、今季は開幕から3勝8敗と低迷。得点効率はリーグ下位に沈み、攻守両面で機能不全に陥っていた。
■「責任を持って行動する」オーナーが声明
球団オーナーのパトリック・デュモン氏は「親愛なるマブスファミリーの皆さんへ」と題した声明を発表し、組織の再出発に向けた強い決意を示した。
「結果が期待に届かないとき、行動する責任は私にあります。ファンの皆さんの声を真摯に受け止め、チームの未来のために決断を下しました」
声明では、昨季の成功がチームの未来への希望を生んだ一方、今季序盤の不振が組織の構造的課題を浮き彫りにしたと説明。ドンチッチをロサンゼルス・レイカーズへ放出した大型トレードを契機に、攻撃面での崩壊と再構築の難しさが際立った格好だ。
■ドンチッチ放出の代償と“チームの空洞化”
ハリソンが昨年2月に断行したドンチッチの放出は、当時「短期的成功を狙った戦略」とされていた。しかし結果的には、フランチャイズの象徴を失ったチームが方向性を見失い、攻撃力の低下とともに勝負強さも喪失。
リーグ屈指のオフェンスを誇ったチームが、現在は得点ランキング29位と苦戦している。かつてチームを支えたレジェンド、ダーク・ノビツキー氏も「見ていて辛い」と語るなど、内部・外部双方から危機感が高まっていた。
球団発表によると、暫定的にマット・リカルディとマイケル・フィンリーが共同GMを務め、恒久的な後任を探す「包括的な調査」が進められる予定だ。
チームはすでに来季に向けて補強戦略とドラフト方針の見直しに着手しており、今後の人事がチーム再建の成否を大きく左右するとみられる。
