フィギュアスケート女子坂本花織選手、現役最後のシーズンで圧巻の4度目NHK杯制覇 世界最高得点でファイナル進出確定

2025.11.9

フィギュアスケート女子で、今季限りで現役引退を表明している坂本花織(25=シスメックス)が、まさにキャリアのラストスパートを鮮烈に印象づけた。グランプリ(GP)シリーズ第4戦NHK杯女子フリーで今季世界最高得点となる150・13点、合計227・18点をマークし、2年連続・通算4度目の優勝を飾った。歴代2位の浅田真央と肩を並べる記録で、GP通算9勝目となった。


現役最終年に臨む坂本選手は、「最後」という言葉に感傷を漂わせることなく、目の前の試合に全神経を注いだ。冒頭から7本のジャンプを着氷し、フリーをノーミスで締めくくった姿は、まさに競技人生の集大成とも言える。

 「ファイナルに進むための大事な試合で、最後のことを考える暇もなかった」と坂本。GPファイナル(12月4~6日、名古屋)進出を決め、五輪最終選考となる12月の全日本選手権へ向けて一歩を踏み出した。

公式練習では曲「愛の讃歌」に合わせて3回転ジャンプが単発になり苦戦する場面もあったが、短時間で調整し、本番では圧巻の連続ジャンプを決め切った。

「練習みたいな感じで演技できた」と語るその姿からは、現役ラストイヤーの重みよりも、むしろ挑戦者としての凛々しさが伝わる。

坂本選手は、自身の引退発表について「確かに自分で言ったけど、感慨深さはない」と淡々と話す。その言葉の裏には、残り少ない競技人生を全力で駆け抜ける覚悟がある。

「クリスマスが来て、五輪最終選考が来て…気付いたら終わっている」と坂本選手は笑う。

しかし、この日叩き出した得点は22年度の北京五輪での

自己ベストを9点を上回る数字であり、まだまだ成長の余地を感じさせる