八村塁選手が代表復帰戦で22得点 河村勇輝選手も12得点6アシスト 日本が韓国に88―68快勝 有明アリーナに1万3613人
【撮影:松永直之】
バスケットボール男子日本代表「AKATSUKI JAPAN」が、東京・有明アリーナで大きな存在感を示した。
日本代表は8月15日、「買取大吉カップ2026(東京大会)」で韓国代表と対戦し、88―68で快勝。2024年パリ五輪以来、約2年ぶりに代表へ復帰した八村塁選手がチーム最多の22得点を記録し、河村勇輝選手も12得点6アシストと躍動した。
会場には1万3613人が集結。NBAでプレーする八村選手と河村選手がそろって日本代表のユニホームを着てプレーする姿に、大きな声援が送られた。
今回の2連戦は、8月下旬に行われるFIBAバスケットボールワールドカップ2027アジア地区予選Window4へ向けた強化試合。JBAは8月15日の「買取大吉カップ2026」、翌16日の「SoftBank CUP 2026」をともに有明アリーナで開催する予定としている。
▪️八村選手が開始直後から爆発 わずか2分足らずで8得点
この日の最大の注目は、約2年ぶりとなる八村選手の代表復帰だった。
日本国内で日本代表戦に出場するのは2021年の東京五輪以来、約5年ぶり。パリ五輪以来の代表復帰となった八村選手は、スターティングメンバーとしてコートに立った。
その存在感は、試合開始直後から際立った。
まずトップ付近から得意のミドルシュートを沈めると、河村選手からのパスを受けて左ウイング付近から3ポイントシュートを成功。さらに左45度からもう一度3ポイントを決め、開始からわずかな時間で一気に得点を積み重ねた。
日本は八村選手の連続得点を起点に攻撃のリズムをつかみ、序盤から韓国を圧倒。
一時は16―4と12点差をつけ、会場のボルテージも一気に上昇した。
その後、韓国もフリースローやターンオーバーから反撃。日本の得点が止まる時間帯もあったが、ジョシュ・ホーキンソン選手がインサイドで得点を重ね、日本はリードを維持した。
第1クオーターは18―15。
序盤に大きくリードを奪った日本が、
韓国の反撃を受けながらも3点リードで第2クオーターへ入った。
▪️第2Qで再び突き放す 八村選手は前半だけで18得点
第2クオーターに入ると、日本の攻撃が再び加速する。
八村選手はフェイドアウェー気味のシュートを決めると、さらに3ポイントも成功。ミドルレンジだけでなく外角からも得点を重ね、韓国ディフェンスに的を絞らせなかった。
河村選手も3ポイントシュートを沈め、富永啓生選手はフローターやミドルシュートなどで得点。
日本は八村選手を中心に攻撃の選択肢を広げ、徐々に点差を拡大していった。
八村選手はファウルを受けて得たフリースローも確実に決め、前半だけで18得点。
富永選手も第2クオーター終盤に3ポイントとミドルシュートを連続して決めるなど、日本の得点力を支えた。
前半終了時点で日本は46―27。
第1クオーター終了時点では3点差だった試合が、わずか10分間で19点差にまで広がった。
▪️後半は河村選手が躍動 スピードとゲームメークで攻撃を加速
第3クオーターに入ると、今度は河村選手が存在感を増した。
開始直後からリングへアタックし、レイアップで得点。さらにミドルシュートも決め、自ら得点を奪いながら、味方へのパスでも韓国守備を揺さぶった。
河村選手の最大の武器であるスピードが、日本のオフェンスにさらなる勢いを与えた。
ボールを持った河村選手が一気にディフェンスを引きつけることで、八村選手や富永選手らにシュートスペースが生まれる。
一方で八村選手がインサイドやミドルレンジで相手の守備を引きつければ、外側にスペースが広がる。
タイプの異なる2人が同時にコートに立つことで、日本の攻撃に新たな選択肢が生まれていた。
日本は第3クオーター途中に64―36とリードを28点まで拡大。
ホーキンソン選手もブロックショットで韓国の攻撃を阻止すると、富永選手とのパス交換から得点するなど、攻守両面で存在感を発揮した。
▪️八村選手が3Q終了間際にブザービーター 会場が大興奮
大量リードを奪っても、日本の攻撃は止まらなかった。
第3クオーター終盤には八村選手が3ポイントを成功。
さらに終了間際には、トップ付近からフェイドアウェー気味のシュートを沈めるブザービーターを決めた。
この一撃に有明アリーナは大歓声。
八村選手は第3クオーター終了時点で22得点に到達し、代表復帰戦でチーム最多得点を記録した。
日本は第3クオーターを終えて74―46。
韓国を28点差に突き放し、勝利を大きく引き寄せた。
▪️最終Qも八村選手がコートへ 日本が88―68で快勝
第4クオーターに入っても日本のリードは揺らがなかった。
韓国も最後まで攻撃を仕掛け、点差を縮める時間帯を作ったが、日本は落ち着いてゲームを進めた。
八村選手も最終クオーターまでコートに立ち、攻守でチームを支えた。
最終的には日本が88―68で韓国を下し、20点差の快勝。
八村選手は23分40秒の出場で22得点、3ポイントシュートは6本中3本成功。
ホーキンソン選手は18得点、14リバウンドのダブルダブルを達成。
河村選手も17分19秒の出場で12得点、6アシストを記録した。
日本は八村選手の決定力、河村選手のスピード、ホーキンソン選手のインサイドでの強さ、富永選手の外角シュートなど、それぞれの持ち味を発揮しながら韓国を上回った。
▪️今年3度目の韓国戦 7月の惜敗から大きく修正
今回の勝利は、2026年に入ってからの韓国との対戦を振り返っても大きな意味を持つ。
日本は2026年2月28日のFIBAワールドカップ2027アジア地区予選Window2で韓国を78―72で撃破。FIBAによれば、主要なFIBAシニア男子大会で日本が韓国を破るのは長い間の歴史を踏まえても非常に大きな意味を持つ勝利だった。
一方、7月6日のWindow3では韓国に79―81で逆転負け。
日本は主導権を握りながら、韓国の守備強度とトランジションに苦しみ、終盤に勝利を逃した。
そして今回、88―68。
わずか1カ月余りの間に韓国と3度対戦する中で、日本は勝敗を一つずつ積み重ねながら、チームとして修正を続けてきた。
今回の勝利は、単なる親善試合の1勝というだけではない。
8月下旬のワールドカップ予選へ向け、チームがどこまで成長しているのかを示す重要な強化試合となった。
▪️「八村×河村」が生み出した新しい日本代表の形
そして、この日の最大の収穫の一つが、八村選手と河村選手が同じコートでプレーしたことだった。
八村選手はNBAで培ってきたサイズと得点力を持つ。
河村選手は小柄ながらも抜群のスピードとパスセンスを武器に、ゲームを動かすポイントガードだ。
単純に2人のスター選手が加わっただけではない。
河村選手がボールを運び、スピードで相手守備を揺さぶる。
相手が河村選手に意識を集中させれば、八村選手の1対1やアウトサイドシュートが生きる。
逆に八村選手に守備が寄れば、河村選手や外角のシューターにスペースが生まれる。
この相互作用こそが、今後の日本代表にとって大きな武器になりそうだ。
もちろん、今回の試合は国際強化試合であり、今後さらに強度の高い相手と戦うためには、チーム全体の連係を深めていく必要がある。
それでも、八村選手の代表復帰によって日本代表の攻撃に新たな可能性が加わったことは間違いない。
▪️八村選手「日本のバスケを強くしていくのも僕らの責任」
試合後、八村選手は日本のファンの前でプレーできた喜びを語り、日本代表としての責任にも言及した。
「皆さんの前でプレーできてすごくうれしい」と振り返り、代表での活躍については、日本のバスケットボールを強くしていくことも自分たちの責任だという思いを示した。
さらに、その視線は2027年ワールドカップ、そして2028年ロサンゼルス五輪へ向けられている。
桶谷大HCも八村選手の開始直後の連続得点について、その決定力を日本代表の大きな武器として評価している。
NBAの舞台で成長を続ける八村選手が、再び日本代表のコートに戻った。
そして、同じくNBAで経験を積む河村選手との共演も実現した。
▪️8月下旬のW杯予選へ 日本代表が新たなステージへ
日本は8月下旬、FIBAバスケットボールワールドカップ2027アジア地区予選Window4に臨む。
JBAの大会情報では、8月27日にアウェーでサウジアラビア、8月31日に東京・TOYOTA ARENA TOKYOでカタールとの試合が予定されている。FIBAの大会情報でも、日本はWindow4でサウジアラビア、カタールと対戦する日程となっている。
その先には2027年のFIBAワールドカップ、さらに2028年ロサンゼルス五輪が待っている。
【文:高須基一朗】

