UFCマカオ大会と「ROAD TO UFC」日本勢11人参戦の意味 鶴屋怜選手の再起戦と、アジアMMA勢力図の変化
【©️UFC】
総合格闘技イベント「UFC」が再びアジア戦略を加速させている。2026年5月30日、中国・マカオで開催される大会と、若手登竜門トーナメント「ROAD TO UFC シーズン5」。そこに、日本人選手が大量参戦することが決まった。
この動きは単なるカード発表にとどまらず、アジアMMAの勢力図、日本人ファイターたちの平均値のレベルが高い点をを示す出来事でもある。
▪️鶴屋怜選手がキャリア初黒星からの再起戦
2026年5月30日に中国・マカオのギャラクシー・アリーナで開催される大会で、日本のフライ級ファイター鶴屋怜がメキシコのヘスス・アギラーと対戦することが発表された。
鶴屋はMMA戦績10勝1敗。
「ROAD TO UFC」シーズン2を制してUFC契約を勝ち取り、本戦デビュー戦ではカルロス・ヘルナンデスに判定勝利。しかし2025年3月、後に王者となるジョシュア・ヴァンとの激闘に敗れ、キャリア初黒星を喫した。
今回の試合は、それ以来およそ1年3カ月ぶりの再起戦となる。
まだ23歳という年齢を考えれば、キャリアはむしろこれからだ。だが、UFCのフライ級は世界でも屈指の競争の激しい階級であり、一度の敗戦がランキング戦線から遠ざかる現実もある。再起戦の意味は小さくない。
▪️対戦するアギラーは“極め”の技巧派フィニッシャーで難敵
対戦相手のヘスス・アギラーは、12勝4敗の実力者で、
一本勝ちを多く持つグラップラー型ファイターだ。
柔術をベースにギロチンチョークなどのサブミッションを得意とし、フィニッシュ率の高さが特徴。小柄ながら打撃から組みへ繋ぐ展開がうまく、試合巧者として知られている。
レスリング力では鶴屋が優位と見られるが、打撃からの組みの攻防、スクランブルの攻防が勝敗を分ける可能性が高い。
▪️平良達郎選手のタイトル戦と 日本フライ級の熾烈なランキング争い
興味深いのは、この試合が日本フライ級戦線の流れと密接に関係している点だ。
2026年4月10日には、同門の平良達郎選手が
王者ジョシュア・ヴァンへのタイトル挑戦を控えている。
もし平良選手が王座を獲得し、鶴屋選手が再起戦に勝利すれば、
日本フライ級勢がUFCの中心ファイターに入る可能性も出てくる。
かつてUFCでは日本人ファイターが減少した時期もあったが、
近年は再び若い世代が台頭し始めている。
フライ級は、日本人選手が世界で輝ける象徴的な階級と言えるだろう。
さらに、この階級には日本人のエース級ライターに
堀口恭司選手に朝倉海選手の存在も忘れてはならない。
そして前王者のパントージャの怪我からの復帰時期も気になる点だ。
▪️ROAD TO UFC、日本人11人参戦のインパクト
さらに注目されるのが、5月28日・29日に開催される
「ROAD TO UFC シーズン5」だ。
これはアジア太平洋地域の有望選手がトーナメント方式で戦い、
優勝者がUFC契約を獲得する登竜門シリーズである。
今回、日本からは以下の11選手が参戦する。
松田亜莉紗
福田万智
小田魁斗
内田タケル
鈴木崇矢
有本亮我
南友之輔
田嶋椋
宮口龍鳳
栁川唯人
青井人
これだけの人数が同時に出場するのは、
日本MMA界にとっても大きな節目と言える。
▪️本格化するUFCのアジア戦略とマカオ開催の意味
今回のマカオ大会は単発イベントではない。
UFCとギャラクシー・マカオは複数年契約を結び、
2026年から2029年までに複数回の大会開催が予定されている。
つまり、UFCは再びアジア市場を本格的に開拓しようとしている。
中国、韓国、日本、モンゴル、中央アジアなど、アジアのMMAレベルは近年急速に上昇しており、ROAD TO UFCはその人材発掘装置でもある。
かつてUFCはアメリカとブラジルが中心だったが、現在は欧州、中央アジア、そしてアジアへと勢力図が広がっている。
今回のマカオ大会とトーナメントは、その流れの中心に日本がいると位置付けられる。

