小栗旬さんが挑む“史上最悪の警官” ハリウッドと日本映画の交差点に立つ「バッド・ルーテナント:トウキョウ」
日本映画界を代表する俳優の一人である 小栗旬 が、再びハリウッドに挑む。
2026年公開予定の日米合作映画『バッド・ルーテナント:トウキョウ』で、
英女優 リリー・ジェームズ とダブル主演を務めることが明らかになった。
監督を務めるのは、バイオレンス描写で世界的に知られる 三池崇史氏。
日本映画の異端児とも言える存在が、東京を舞台に新たな犯罪ドラマを描き出す。
配給を担うのは、アカデミー賞作品『パラサイト 半地下の家族』などで知られる米映画会社 NEON。北米のみならず世界配給を視野に入れたプロジェクトであり、日本映画とハリウッドの協働という点でも注目度は高い。
▪️伝説的作品を下敷きに、舞台は“東京の闇”へ
本作は、1992年の カンヌ国際映画祭 でも話題を呼んだ アベル・フェラーラ 監督の映画
『バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト』をベースに、新たな物語として再構築した作品だ。
三池監督が舞台として選んだのは、東京・新宿。歌舞伎町やゴールデン街、大久保といった夜の街を背景に、腐敗した警察官と海外から来た捜査官の思惑が複雑に絡み合う犯罪ドラマが展開される。
小栗さんが演じるのは、自暴自棄な生活を送りながらも事件に執着する警部補・矢吹。
一方、リリー・ジェームズが演じるのは、日本に派遣されたFBI捜査官グエンだ。
▪️「ゴジラVSコング」から続く、小栗旬のハリウッド戦略
小栗さんにとってハリウッド映画への出演は、2021年の
『ゴジラVSコング』以来、約5年ぶり2度目となる。
彼が演じる矢吹は、倫理も規律も踏み越える“史上最悪の汚職警官”。
だが小栗さんは、この人物像を単なる悪役とは捉えていない。
「矢吹という男は決して褒められた人物ではありません。ただ、彼なりに必死に生き、人生の一発逆転を狙っている。その姿はある意味で美しいキャラクターだと思いました」
ヒーローでも正義でもない存在を演じることで、俳優としての表現領域を広げようとしているようにも見える。
▪️三池崇史監督×小栗旬さんは4度目のタッグ
撮影は2025年5月上旬から6月中旬にかけて実施された。
主なロケ地は新宿の歌舞伎町やゴールデン街など、
東京でも屈指の“夜の顔”を持つエリアだ。
三池監督とは今回が4度目のタッグとなる小栗さんは、監督への信頼をこう語る。
「三池監督は本当にかっこいい方。再び一緒に作品を作れたことはとても有意義な時間でした」
三池映画特有の過激なバイオレンスと、人間の欲望をえぐるような物語。そこに国際的なキャストが加わることで、作品は従来の日本映画とは異なるスケールを獲得しつつある。
▪️リリー・ジェームズが語る「小栗旬の繊細な演技」
グエン役を務めるリリー・ジェームズは、ディズニー実写映画
『シンデレラ』で世界的な知名度を得た俳優だ。
彼女は撮影を振り返り、小栗さんの演技について次のように語る。
「小栗さんのお芝居には、思わずハッとさせられる瞬間が多くありました。とても繊細で心を打つ演技だと思います」
さらに、三池監督との仕事についても「自分の人生にとって大きな意味を持つ経験だった」とコメントしている。
▪️日本映画は“世界市場”でどこへ向かうのか
小栗さん自身も、英語での演技が大きな挑戦だったと明かす。
「英語での芝居は自分にとってもチャレンジでした。ただ、この作品のために日本に滞在してくれたリリーさんが真摯に向き合ってくれたことで、毎日とてもワクワクしながら撮影できました」
近年、日本映画界では海外資本との共同制作が増えつつある。
そのなかで『バッド・ルーテナント:トウキョウ』は、日本の監督、ハリウッド俳優、世界配給会社が結びつく象徴的なプロジェクトと言えるだろう。

