シャクール・スティーブンソンが示した“格の違い” ロペスを完封し世界4階級制覇、「地球上最高」を名乗る理由

2026.2.1

【©️WBO】

ボクシングのWBOスーパーライト級タイトルマッチが1月31日(日本時間2月1日)、米ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで行われ、挑戦者シャクール・スティーブンソン(28=米国)が王者テオフィモ・ロペス(28=米国)に12回判定3―0で勝利。世界4階級制覇という偉業を成し遂げた。

スコアは3者ともに119―109。

判定が読み上げられる前から、勝敗は誰の目にも明らかだった。


 

▪️ロペスを“戦わせなかった”完璧な支配

ロペスは元世界2階級制覇王者で、ロマチェンコ(ウクライナ)を撃破した実績を持つ現代ボクシング屈指のビッグネーム。そのロペスに対し、スティーブンソンは試合開始から終始、リングを完全に掌握した。

精緻なジャブで距離を管理し、踏み込んできた瞬間に電光石火の左カウンターを合わせる。攻撃の数ではなく、当てるべき場面だけを的確に選ぶ冷静さが際立った。ロペスにプレッシャーをかけられる場面はほとんどなく、試合はスティーブンソンのテンポで淡々と進んでいった。

8回、ロペスが起死回生を狙ってボディー攻撃を仕掛ける時間帯もあったが、9回には再び左カウンターで主導権を奪還。後半になるにつれロペスの顔面は腫れ、11回には右目尻から出血した。一方のスティーブンソンは、12ラウンドを通して被弾がほぼ見当たらない完璧な内容だった。

 

▪️体格差を無力化した“距離の支配”

アマチュア時代、2016年リオデジャネイロ五輪でバンタム級銀メダルを獲得したスティーブンソンは、プロではフェザー級からキャリアをスタート。

一方のロペスはライト級を主戦場としてきた選手で、この試合でも体格差は明らかだった。

それでも距離を制したのは、より小柄なスティーブンソンだった。

下がりながらも主導権を握り、前に出ればロペスを押し返す。サイズやパワーといった要素を、技術と判断力で完全に無効化してみせた。

判定勝ちを確信した表情で結果を聞いたスティーブンソンは、ベルトを肩に掲げて拳を突き上げた。

「キャリアを通じて、こういう相手をボックスアウトしてきた。パンチをもらわずに勝つ。それが“アート・オブ・ボクシング”だ。俺が地球上で最高の選手だ」

強気な言葉も、この日の内容を見れば誇張には聞こえない。

 

▪️PFPランキング急上昇は確実

現代ボクシング界のトップランナーであるロペスを相手に、実力差すら感じさせる完勝劇。米リング誌のパウンド・フォー・パウンド(PFP)ランキングでも、現在7位につけるスティーブンソンの評価が大きく跳ね上がるのは間違いない。

この日は、盟友であり元世界4階級4団体統一王者のテレンス・クロフォード(米国)も会場で見守った。試合後、リング上で喜びを分かち合ったスティーブンソンは、「クロフォードが階級を上げてカネロ・アルバレスに勝った試合に刺激を受けた」と明かす。