アストロズ黄金時代を支えた“最後の扉番”ライアン・プレスリー投手が現役引退

2026.1.18

2022年ワールドシリーズ。ヒューストンの夜を静まり返らせ、歓喜の瞬間へと導いた最後の一球。そのマウンドに立っていた右腕、ライアン・プレスリーが17日(日本時間18日)、13シーズンにわたるメジャーリーグ生活に終止符を打つ決断を公表した。

MLB公式インスタグラムなどを通じ、米メディアが一斉に伝えている。


 

37歳のプレスリーは声明で「スパイクを脱ぎ、マウンドから離れる時が来た」と率直な心境を明かした。
「複雑な気持ちだが、本当に素晴らしい旅だった。ブルペンで共に戦った仲間たち、道を示してくれたベテランたちとの友情は一生続く。緊迫した場面でも笑わせてくれた内輪の冗談が、きっと一番恋しくなるだろう」と、感謝の言葉を並べた。

キャリアの終盤となった2025年は、カブスで思うような結果を残せなかった。クローザーとして期待されながら41回1/3で防御率4.35、5セーブにとどまり、8月にリリース。しかし、その数字だけでプレスリーの評価が揺らぐことはない。

2007年ドラフト11巡目指名。決して華やかなスタートではなかったが、2013年にツインズでメジャーデビューを果たすと、着実に信頼を積み重ねた。そしてキャリアを決定づけたのが、2018年のトレード期限でのアストロズ移籍だった。

 

加入直後から別次元の安定感を見せ、防御率0.77を記録。2018年8月から19年5月にかけては40試合連続無失点リリーフ登板という当時のMLB記録を樹立し、リーグ屈指のセットアッパーとして名を刻んだ。ポストシーズンではさらに真価を発揮し、通算47試合で防御率2.78、60奪三振、被本塁打はわずか1本という圧倒的な成績を残した。

 

とりわけ忘れられないのが2022年のプレーオフだ。

11イニングを投げて自責点ゼロ。フィリーズとのワールドシリーズ第6戦、9回のマウンドを託され、最後のアウトを奪った瞬間、プレスリーはアストロズの世界一を締めくくる“胴上げ投手”となった。

派手なガッツポーズよりも、静かな集中力。スター揃いのチームにあって、最後の9回を任され続けた理由は、その揺るぎない信頼にあった。ライアン・プレスリーの名は、アストロズの黄金時代を陰で支えた守護神として、確かにMLBの歴史に刻まれている。