卓球の張本智和選手、死闘を制し決勝へ 中国の林詩棟とのフルゲームが示した「年間王者」への現在地【卓球・WTTファイナルズ香港】
2025.12.14
卓球の年間王者を決する最終舞台で、張本智和が確かな存在感を示した。
【©️World Table Tennis】
12月14日、香港で行われたWTTファイナルズ男子シングルス準決勝。
世界ランキング5位の張本智和選手(22=トヨタ自動車)は、同2位の林詩棟(20=中国)とのフルゲームにもつれ込む接戦を4―3で制し、2大会連続、
通算4度目となる決勝進出を決めた。
今季を象徴する一戦だった。
スコア以上に拮抗した内容で、張本選手は攻守の切り替えと試合運びの巧みさを随所に見せ、世界トップクラス同士の我慢比べを制した。
第1ゲーム、7―10と後手に回りながらも、台上での積極性を失わず5連続ポイントで逆転。第2ゲームも守備から攻撃への展開が噛み合い、主導権を握った。
だが、林も世界2位の底力を発揮。
前陣での鋭い強打を軸に第3、第4ゲームを連取し、流れは一転した。
会場に「ハリモト」コールが響く中で迎えた第5ゲーム。張本選手はフォアクロスへの強打を起点に一気に流れを引き戻すと、以降は互いに一歩も譲らない消耗戦となった。最終第7ゲーム、林の粘り強い中陣戦に耐えながらも、張本選手は勝負所で迷いなく攻め切り、11―8で試合を締めくくった。
林詩棟選手とはこれまで公式戦で勝ち越してきた張本選手だが、今月の混合団体W杯では敗戦も経験。
勢いに乗る若き中国エースとの再戦は、張本選手にとって自らの現在地を測る意味でも重要な一戦だった。
この勝利で、張本選手は前身大会を含めれば2018年以来となるファイナルズ制覇にあと1勝と迫る。決勝の相手は、世界ランキング1位の王楚欽選手(中国)と同4位のモーレゴード(スウェーデン)の勝者。いずれにせよ、世界最高峰との対決が待つ。

