清水尋也被告、初公判で深々と謝罪 “母に顔向けできない”と反省強調も…俳優復帰は不透明

2025.12.8

乾燥大麻所持の罪で起訴された俳優・清水尋也被告(26)の初公判が8日、東京地裁で開かれた。

法廷で自身の職業を問われると「俳優です」と答えた一方、今後については「生活を立て直すために一般の仕事を探し、働いていきたい」と述べ、俳優業への早期復帰は否定した。

強い反省の色をにじませつつも、エンタメ界に戻る道が容易でない現実を自覚しているようだった。


 

清水被告は9月、自宅で乾燥大麻0.392グラムを所持したとして逮捕・起訴された。

当日は、保釈後に同居し生活を監督している兄で俳優の清水尚弥氏(30)が情状証人として出廷。兄によれば、保釈後の話し合いで「母に顔向けできない。大きな過ちを犯した」と涙ながらに語り、罪の重さを繰り返し口にしたという。

尚弥氏が証言台を離れる際には、清水被告が深々と頭を下げる場面もあった。

さらに弁護側は、清水被告が保釈後に医療機関を複数回受診し、薬物依存症ではないとの診断を受けたこと、自助グループに通い続けていることを強調。

一方で検察側は拘禁刑1年を求刑し、弁護側は執行猶予付き判決を求めている。

判決は19日に言い渡される予定だ。

 

■家族の過去が“イメージの陰”として本人にも投影

清水被告は、俳優としての実力に定評があり、映画・ドラマでの繊細な演技には業界内でも高い評価があった。しかし過去から続く家族のトラブルやスキャンダルの影響が“本人にも反社会的な色が濃く見える”と指摘する声が根強い。今回の事件は、そうした周囲の先入観をさらに強めてしまった形だ。

本来、個人の罪と家族の問題は切り離されるべきだが、映像業界では“ブランド力”がキャスティングに直結するため、一度ついた負の印象が俳優本人のキャリアに長期的なダメージを与えることは珍しくない。

 

■優れた役者だからこそ「戻ってきてほしい」声も…だが“需要”は未知数

清水被告の演技力を評価する制作陣やファンの間では、「いつか戻ってきてほしい」という声も少なくない。しかし今回の事件後、
・スポンサー離れ
・放送局側のコンプライアンス強化
・作品リスクを嫌う制作委員会体制
といった構造的要因が強まり、復帰には高いハードルが生じている。

特に若年層向け作品がメインだった清水被告にとって、事務所や制作側が“リスクのない選択肢”を選びやすい現状では、キャスティングが大幅に制限される可能性が高い。

 

■海外では薬物逮捕スキャンダルが軽視されが“キャスティング”では致命傷

海外映画界では、薬物に関するスキャンダルは日本ほど長期間の活動停止につながらないケースも見られる。だが一方で、
ハリウッドを含む海外のキャスティング担当者は、スキャンダルに極めて敏感
だといわれる。

特に作品の国際展開が前提となる今の映画・ドラマ市場では、
“一度問題を起こした俳優をメインに起用すること自体が配給リスクになる”
という判断が働き、復帰の道は想像以上に険しい。

つまり、社会的には早期の復帰が許容されても、
制作現場の判断としては“起用しにくい”状況はむしろ世界的に共通している。

 

■社会はどこまで許容するのか

法廷での清水被告は終始うつむき、反省の言葉を繰り返した。
ただし今後の俳優復帰には、
・世間がどこまで彼の更生を信じるのか
・業界がどこまで“リスクを取る”判断をするのか
という、より複雑な問題が横たわる。

本人の意志とは別に、
“需要があるかどうか”という冷徹な基準が、キャリア再生の可否を左右する。