金子晃大選手 vs 大久保琉唯選手 王者の“道徳”か、挑戦者の“覚悟”か。火花散る因縁のタイトル戦がついに実現へ
【©️K−1】
12月5日、都内で行われた「K-1 WORLD GP 2026 ~-90kg世界最強決定トーナメント~」追加対戦カード発表会見で、K-1スーパー・バンタム級王座戦の電撃決定が告げられた。
王者 金子晃大選手(K-1ジム自由ヶ丘/FROG GYM)に挑むのは、いま最も勢いに乗る男、大久保琉唯選手(K-1ジム・ウルフ TEAM ASTER)。
かつてトーナメント決勝で激突し、金子がKOで勝利した宿命のカードが、再びタイトルマッチとして実現。
■ “鉄壁王者”金子 vs “覚醒”大久保 ― 勢力図が揺れる宿命の再戦
金子選手は24年「K-1 -55kg世界最強決定トーナメント」で3連勝を飾り優勝。
その中には大久保戦でのKOも含まれる。
前戦でも池田幸司選手の猛攻を跳ね返して王座を守り抜き、今回で5度目の防衛戦を迎える“絶対王者”の風格さえ漂う。
一方の大久保選手は、24年のトーナメント準優勝後、璃明武、竹見浩志郎、紫苑、ウー・ユートンを立て続けに撃破。
現在3連続KO勝利中 と、まさに“覚醒モード”に突入しK-1の次世代エースとしての立ち位置を確立しつつある。
大久保選手にとって今度こそ、因縁の相手へのリベンジを果たし、悲願のベルトを巻く絶好の舞台となる。
■ 会見から漂う緊張感・・・互いの強さを認めつつ、譲れぬプライド
会見では、二人の言葉の端々から伝わる緊迫感が場を支配した。
金子晃大選手
「今回もKOで勝ちたいと思ってます」
「戦う気持ちは減ってない。やるべきことをやるだけ」
「僕が積み上げてきたもの、そして戦ってきた選手たちの思いを含めて見せたい」
淡々とした語り口ながら、その内側には静かに燃える王者の闘志。
そして今回の試合テーマを問われると、金子は意味深に一言。
「道徳です」場内がざわめいたのは言うまでもない。
大久保琉唯選手
「僕が勝たないとK-1は変わっていかない」
「1年半前の負けからすべてが始まった。やっとこの舞台が来た」
「倒しに行く。必ずKOでチャンピオンになる」
金子選手の長期政権を正面から打ち崩す覚悟。
その表情は、かつて金子にKOされ涙を流した若武者のものではない。
“挑戦者”から“新時代の旗手”へ―そんな変貌がはっきりと伝わった。
■ 若い力が王座をひっくり返すか? 王者の牙城が崩れればK-1の勢力図が激変
大久保選手は、
「金子選手が創ってきたこの階級の価値、その歴史ごと超えていく」
と明言。
これまでK-1を牽引してきた金子の王国を、まさに力づくで覆そうとしている。
一方の金子選手は、挑発には乗らずとも、
「勢いがある選手」
と繰り返し評し、あくまで王者の余裕を崩さない。
大久保選手の台頭によってK-1スーパー・バンタム級の世代交代が起きるのか!?
それとも金子選手が“道徳”という謎の言葉で圧倒的実力を見せつけるのか!?
この一戦には階級の未来、ひいてはK-1の構図を左右する重大な意味が宿る。
すべてがぶつかるのは、来年2月8日(日)国立代々木競技場第二体育館。
【文:高須基一朗】



