「アナ雪」主要声優に93億円超の契約金 異例の“超インフレ報酬”に業界内で賛否の声
【©️Disney】
ディズニーの大黒柱として知られる「アナと雪の女王」シリーズに、再び巨額の資金が投じられている。米メディア報道によると、クリステン・ベル、イディナ・メンゼル、ジョシュ・ギャッドの主要キャスト3名が、「アナと雪の女王3」「アナと雪の女王4」出演に際し それぞれ6000万ドル(約93億円)超 という、アニメーション映画史に残る破格の契約を結んだという。
しかし、この“異常値”とも言える数字に対し、映画業界では早くも賛否が割れている。
■前作の約4倍!! 巨額契約の背景は?
3人は前作「アナと雪の女王2」で各1500万ドルの報酬を得ていたが、今回はその 約4倍 に跳ね上がった。契約は一括ではなく、各作品に2000万ドルの前払いに加え、興行成績に応じたボーナスが積み上がる仕組みだ。
ディズニー側の狙いは明確だ。
“絶対に外せない”声と歌の担い手を確保し、フランチャイズの価値を維持することである。初代「アナ雪」は13億ドル、続編は14億ドルの世界興収を記録。
グッズ、ステージショー、テーマパークを含めれば収益は数十億ドル規模に膨れ上がる。
ディズニーにとっては「最重要IP」と言っても過言ではない。
■一方で映画界には漂う“報酬偏重”への疲れ
ただし、業界関係者の間では、巨額契約がもたらす構造的な歪みに懸念の声も出ている。
アニメーション制作は膨大な労力を要し、現場のアニメーターやクリエイターの報酬問題は長年議論されてきた。ある関係者は「スター声優の契約がインフレを起こす一方で、現場の待遇は改善しない」と指摘する。
また、ビッグタイトル依存のディズニーにとって、さらに高騰する制作費はリスクにもつながりかねない。映画評論家の間では「“アナ雪頼み”が続く限り、創造性への投資が削られる懸念もある」との分析もある。
■ジェニファー・リー監督が復帰も・・・ディズニー未来像は不透明
「アナ雪3」は2027年の感謝祭シーズン公開を目指し、シリーズを成功させたジェニファー・リーが再び監督として参加する。
リーは24年にスタジオのCCOを退いたが、本シリーズには継続的に関わるとされる。
ただ、「アナ雪4」の公開時期は未発表で、ディズニー側も詳細についてコメントを避けている。


