プロボクサー神足茂利選手、脳出血により28歳で逝去 ボクシングの「見えざるリスク」を改めて浮き彫りに
8月9日、神奈川県相模原市のM・Tボクシングジムは、所属選手である神足茂利(かみたり・しげとし)選手が8日夜、都内の病院で急性硬膜下血腫による脳出血のため28歳の若さで亡くなったことを発表した。
日本ボクシングコミッション(JBC)も同日未明に公式発表。
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神足選手は8月2日に東京・後楽園ホールで開催された東洋太平洋スーパーフェザー級タイトルマッチに挑戦。結果は引き分けに終わり、タイトル獲得には届かなかったものの、その試合後に意識を失い医務室で倒れ、救急搬送された。
検査の結果、急性硬膜下血腫が判明し、緊急開頭手術を受けていた。
今回の訃報は、ボクシングが持つ「見えざるリスク」としての脳出血の恐ろしさを改めて浮き彫りにした。プロボクシングは華やかな勝利やタイトル挑戦の裏側で、選手の生命を脅かす過酷な現実が存在する。激しい打撃を受け続けることにより、脳に致命的なダメージを負う危険は常に隣り合わせだ。
神足選手は名古屋市出身。
アマチュア時代には50勝を挙げ、日大を卒業後にプロ転向。
2019年にデビューし、キャリアを重ねて今回がタイトル初挑戦であった。彼の死は、若くして夢を追い続けたボクサーの命が、一瞬の危機で絶たれてしまう現実を強く印象付ける。
M・Tジムは声明で「全力で戦い抜いた」と彼の闘志を称えるとともに、関係者一同が深い悲しみに包まれている。
M・Tジムの発表は以下の通り。
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(訃報)神足茂利選手 逝去のお知らせ
幣M.Tジム所属ボクサーの神足茂利選手が 令和7年8月8日22時59分 28歳にて永眠いたしました。
8月2日の東洋太平洋タイトル挑戦のあと、急逝硬膜下血腫のため東京都内の病院で手術治療を受け、全力で戦い抜きました。
幣ジム一同、心から哀悼の意を表します。 ここにあらためて生前のご厚誼に深く感謝いたしますとともに、謹んでお知らせ申し上げます。 通夜・葬儀の詳細につきましては、あらためてお知らせいたします。
令和7年8月9日
M.Tジム会長 村野 健