浅田真央さんがコーチ業本格始動 木下グループとタッグ「木下MAOアカデミー」設立を発表
【©KINOSHITA GROUP】
フィギュアスケート女子で2010年バンクーバー五輪銀メダリストの浅田真央氏(34)が12日、東京都内で記者会見を開き、木下グループと共同でジュニア育成拠点「木下MAOアカデミー」を設立すると発表した。浅田氏にとっては、指導者としての本格的な第一歩となる。
アカデミーは東京を拠点に8月1日から開校予定。浅田氏は同アカデミーのディレクターに就任し、「私は指導者として新たな一歩を踏み出します。スケーター一人ひとりと丁寧に向き合っていきたい」と抱負を語った。白のパンツスーツに身を包み登壇した浅田氏は、凛とした表情で決意を述べた。
▪️木下グループの狙い:次世代スターの早期発掘・育成とブランディング強化
同アカデミーは、2025年4月1日時点で5~9歳の子どもを対象に約10人を募集。選考は6月12日から30日まで公式サイトを通じて実施される。木下グループの木下直哉社長(59)は「次の次の次(2034年)のオリンピックを目指せる選手を育てていただけたら」と語り、長期的な視点で世界レベルの人材育成に取り組む意向を示した。
木下グループにとってこの取り組みは、スポーツ支援を通じたブランド価値向上に加え、浅田氏という国民的アスリートとの協業により、企業イメージをよりクリーンかつ社会貢献型に転換させる狙いがあるとみられる。
▪️「3つの柱」で体系的育成プログラムを構築
アカデミーでは以下の3つを柱にした育成方針を掲げる。
浅田真央氏による直接指導
氷上練習に加え、バレエ・ダンス・新体操・陸上トレーニングを融合した独自プログラム
選手のレベルに応じた奨学金制度の導入
単なる技術指導にとどまらず、表現力や身体操作の基礎も重視する教育体系は、浅田氏のキャリアとフィギュアへの哲学が反映された形となっている。
▪️「ハーフ、ハーフです」 名言再び
今後のプロスケーターとしての活動については「しばらくはMAOアカデミーとMAOクラブに全力集中したい」と語る一方、「ハーフ、ハーフです。久しぶりに言いたかったので(笑)」と、2014年ソチ五輪後の名言を再び披露し、会場を和ませた。
▪️普及活動の集大成としてのアカデミー設立
浅田氏は2017年に競技から引退後、全国を巡る「浅田真央サンクスツアー」やショー「BEYOND」などでプロスケーターとして活躍。2024年11月には東京・立川市に専用リンク「MAO RINK TACHIKAWA TACHIHI」を開業し、スケート普及活動にも力を注いできた。
このアカデミー設立は、そうした活動の集大成とも言えるものであり、次世代のスター選手誕生に向けた新たなステージの幕開けとなる。