女子ゴルフ渋野日向子選手、涙の7位。再起のメジャーで掴んだ「来季への切符」
【ロイター】
ウィスコンシン州エリンヒルズ。霧がかった早朝、静まり返ったフェアウェイに向かって、渋野日向子は静かにティーグラウンドに立った。全米女子オープン最終日、彼女は2打差の3位という好位置からスタートした。狙うはもちろん頂点。ただ、その道のりは決して平坦ではなかった。
結果は通算3アンダーの7位フィニッシュ。スコアは74と伸び悩み、目指した優勝には届かなかった。ホールアウト後、悔しさを押し隠すことなく、渋野は涙を流した。しかしその涙の裏には、確かな成長と希望の光が宿っていた。
「この1年、本当に苦しかった」と渋野は語っている。今季これまでの最高順位は米ツアーで44位。かつて「スマイルシンデレラ」として世界を驚かせた彼女にとっては、満足とは程遠い数字だ。だが、だからこそ今回のトップ10入りには、大きな意味がある。
ポイントランキングでは、大会前の120位から一気に52ランクアップし、68位へとジャンプアップ。シード圏となる80位以内に食い込んだことで、ツアー継続の可能性が大きく広がった。さらには、来年の全米女子オープン出場権も獲得。昨年は2位、そして今年は7位と、メジャーで2年連続の好成績を記録したことで、再び世界の大舞台に立つ道が開かれた。
賞金も35万8004ドル(約5130万円)を手にした。これは単なる金額ではない。低迷が続いていた中での結果であり、自信と誇りを取り戻すための「証明」となった。
ちなみに、同じ大会で日本勢が躍動したことも話題だ。竹田麗央が2位タイで約1億500万円、西郷真央が4位タイで約6900万円を獲得。
渋野の次戦は、6月6日開幕の「ショップライト・クラシック」(ニュージャージー州)。
このメジャーで掴んだリズムと自信を、次なる戦いへとどうつなげていくのか。