【K-1】復帰戦で見せた王者の意地─レオナ・ペタス選手、体重超過の天野を“制裁KO”で沈めリザーブ権を奪取
2025年5月31日(土)神奈川・横浜BUNTAI『K-1 BEYOND』
【©️K-1】
かつて王座を手にした男が、再びK-1の舞台に帰ってきた。
第1試合、スーパー・フェザー級王座決定トーナメントのリザーブファイトに登場したのは、レオナ・ペタス(THE SPIRIT GYM TEAM TOP ZEROS/LARA TOKYO)。22年9月に王座に就いた後、翌年の敗戦を最後にリングを離れていたが、約1年半の沈黙を破っての再起戦となった。
対戦相手は、ムエタイ仕込みの打撃で近年急成長を見せている天野颯大(キング・ムエ)。2023年からKrushやK-1で連勝を重ね、今年2月にはKrushライト級GPで3位に入るなど波に乗るファイターだ。
しかし、試合前日の計量で天野はまさかの2.25kgオーバー。リミットは-60kgだったが、急遽-65kg契約に変更され、天野には減点2のペナルティが課された。この時点で、彼は試合を戦う前から大きなハンデを背負うことになる。
■勝負は一瞬──2度のダウンで決着
試合が始まると、ペースを掴んだのはレオナ。左ジャブと右ローで距離を測り、冷静にタイミングを狙う。一方の天野は積極的に前へ出てプレッシャーをかけ、左右のミドルで応戦した。
中盤、天野が飛び込んで放った左フックがヒットし、場内がどよめく。しかしその直後、レオナがカウンターの左フックを的確に合わせ、天野をダウンさせる。立ち上がった天野に対して、畳みかけるレオナ。両者が右ストレートを同時に打ち合い、まさかの相打ちダウンとなるが、立ち上がったのはレオナのほうが早かった。
K-1のトーナメントルールでは、1ラウンド中に2度のダウンを奪えばKO勝利となる。この規定により、試合時間2分16秒、レオナの復帰戦は衝撃のKO劇で幕を閉じた。
■レオナ「これは制裁マッチ。K-1を楽しんでくれ」
試合後、マイクを握ったレオナは、いつも通りの強気な口調でこう語った。
「僕の試合は、ただの制裁マッチ。ここから-60kgトーナメント、タイトルマッチもあるので、K-1を楽しんでいってください」
まさに“石の拳”を象徴する一撃で相手を沈め、完全復活を印象付けたレオナ。自らが返上した王座を巡る戦いが加速するなか、リザーバーとして虎視眈々と頂点を狙う姿が、今後のトーナメントに大きな緊張感をもたらす。