キリン、フジテレビへの広告差し止めを継続 人権方針に基づく対応

2025.4.2

キリンホールディングス株式会社(以下、キリン)は、自社グループの広告出稿に関し、株式会社フジテレビジョン(以下、フジテレビ)への広告掲載を引き続き停止する方針を明らかにした。これは、フジテレビが公表した第三者委員会調査報告書において、人権侵害の事実が認定されたことを受けた措置である。

 

▪️企業の社会的責任を強調

キリンは公式サイトを通じ、「キリングループは企業の社会的責任として、国連の『ビジネスと人権に関する指導原則』に則り企業活動を行い、すべてのビジネスパートナーに対して当社の人権方針の理解と遵守を求めています」との声明を発表。また、フジテレビの報告書に基づき、人権侵害の認定を「重大な問題」として受け止めていると強調した。

 

▪️被害者救済と再発防止を求める姿勢

同社は、「今後、すべての被害者の救済が着実に行われることを期待するとともに、当社の人権方針の理解と遵守、およびフジテレビ社グループの人権方針に則った改革や再発防止策が進むよう、広告を出稿する企業として広告代理店とともに強く働きかけていく」との立場を示した。

 

▪️法的観点からの考察

企業の広告出稿は契約関係に基づくものであり、民法上の契約自由の原則に則って行われる。一方、企業の社会的責任(CSR)や人権方針に関する取り組みは、コンプライアンス(法令遵守)やコーポレート・ガバナンス(企業統治)の観点からも重要視される傾向にある。

今回のキリンの対応は、CSRの一環としての広告出稿方針の見直しであり、特定の法的義務に基づくものではないが、企業倫理に則った判断として注目される。また、フジテレビ側の対応次第では、他の広告主にも同様の対応が広がる可能性がある。

今後、フジテレビがどのような再発防止策を講じるのか、そして広告主企業の対応がどのように変化するのかが、業界内外で関心を集めることになるのは、間違いなだろう。