RIZINに出場予定だったボクサーのライアン・ガルシア選手が訴訟問題に直面
RIZINに出場予定だったボクサーのライアン・ガルシア選手が訴訟問題に直面
PPVサイト『FANMIO』が詐欺的勧誘を主張
昨年大みそかに開催された『RIZIN DECADE』で安保瑠輝也との対戦が発表されながらも、負傷を理由に試合が延期となっていたプロボクシング元WBC世界ライト級暫定王者ライアン・ガルシアが、試合を配信予定だったPPVプラットフォーム『FANMIO』から訴訟を起こされた。
FANMIOの公式X(旧Twitter)が日本時間14日に発表した声明によると、
同社はガルシアおよび彼の所属プロモーションである『ゴールデンボーイ・プロモーションズ』に対し、
詐欺的勧誘(fraudulent inducement)、
不法妨害(tortious interference)
などの重大な申し立てを理由に訴訟を提起したという。
▪️FANMIOの主張:「ガルシアは契約違反に該当」
FANMIOの声明によれば、
ガルシアはFANMIOと独占契約(exclusive contract)を締結し、
安保戦の報酬を受け取っていたにもかかわらず、
その後、5月2日に米ニューヨークでロランド・ロメロとの試合を決定したことが問題視されている。
FANMIO側は、「ライアン・ガルシアは、最初から試合に出場するつもりがなかったにもかかわらず、我々にイベントを企画させ、契約に違反した」と主張。
さらに、「ゴールデンボーイ・プロモーションズは積極的にイベントを妨害した」とし、
同プロモーションの関与も指摘している。
アメリカの契約法において、
「詐欺的勧誘」とは、契約の当事者が誤った情報を意図的に提供し、相手方に契約を締結させた場合に適用される。また、「不法妨害」は、第三者が故意に契約関係を破綻させたり、契約の履行を妨げたりする行為を指し、違反が認められた場合は損害賠償(monetary damages)の対象となる。
▪️FANMIO側:「不正な商取引は許されない」
FANMIOは、ガルシアに対し、正式な**民事訴訟(civil lawsuit)**を提起し、損害賠償を全面的に回収する意向を示している。「不正な商取引(unfair business practices)は決して許されません。司法制度を通じて、適切な処罰を求める」と強い姿勢を見せた。
▪️RIZIN側の反応:「契約違反に対し法的対応」
RIZIN榊原信行CEOも7日の『RIZIN男祭り』会見後、囲み取材で「ライアンとは現在、弁護士同士の交渉になっている」と説明。
さらに「ライアン側は、先にサウジアラビアの興行を優先し、大晦日に安保戦を行いたいと言ってきたが、そんなことは受け入れられない。
契約に違反している以上、金銭解決しかない」と言及した。
また、ガルシアが負傷を理由に試合を延期したことについても
「本当に怪我をしていたのか疑わしい。
これが虚偽であれば、さらに大きな契約違反(material breach of contract)となる可能性がある」と指摘し、
違約金(liquidated damages)などを求める可能性にも言及した。
▪️今後の展開:ガルシア側の対応次第で法廷闘争へ
アメリカの契約法では、違反が認められた場合、契約違反による損害賠償や、
契約履行を求める裁判所命令(injunction)が下される可能性がある。
FANMIOとRIZINの両者が法的措置を取る構えを見せていることから、
ガルシア側がどのような対応を取るかが今後の焦点となる。
ライアン・ガルシアは今後、正式に法的な反論を行うのか、
それとも和解に向けた交渉を進めるのか。訴訟の行方に注目が集まる。