プロボクシング WBC世界フェザー級タイトルマッチでフルトンが圧勝!!

2025.2.2

 

プロボクシング WBC世界フェザー級タイトルマッチ
王者 ブランドン・フィゲロア(米国)<12回戦>

同級2位 スティーブン・フルトン(米国)
(2025年2月1日 米ネバダ州ラスベガス T-モバイル・アリーナ)

2025年2月1日、ラスベガスのT-モバイル・アリーナで、

注目のプロボクシングWBC世界フェザー級タイトルマッチが行われ、

元WBC&WBOスーパーバンタム級統一王者の

スティーブン・フルトン(30=米国)が、

現役王者であるブランドン・フィゲロア(28=米国)を

3-0の判定で破り、見事に2階級制覇を達成した。

フルトンはこの試合で、戦績23勝(8KO)1敗を記録し、

新たな王者の座を手にした。

一方、フィゲロアは25勝(19KO)2敗1分けとなり王座陥落。

試合の内容は、フルトンが前回の対戦した21年11月の試合同様に、

再びフィゲロアを圧倒する形での勝利となった。

 

▪️再戦でも戦術の巧妙さ

前回の対戦では、フルトンがWBCスーパーバンタム級王者として、WBO同級王者だったフィゲロアに判定勝ちを収め、王座統一に成功した。

今回は、ひと回り小柄なフルトンが巧妙な左ジャブと素早

いステップで距離を保ちながら、フィゲロアの強力なパンチに対して適切なカウンターを幾度となくクリーンヒット。

試合が進むにつれて、フルトンは左右にスイッチしながら、

フィゲロアの攻撃を巧みにかわし、得意のディフェンスで決定打を受けない。

さらに、接近戦を仕掛けてくるフィゲロアをうまく空転させ、

試合の主導権を完全に握ったまま試合を支配。

ジャッジの採点は、116-112が2人、117-111が1人と、

いずれもフルトンを支持する結果となった。

 

 

▪️フルトンの復活と自信

フルトンは2023年7月、世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(31=大橋)との試合で、プロ初の黒星を喫し、王座から陥落。

その後、フェザー級に転向し、昨年9月には再起戦を迎え、2-1の判定で勝利。

しかし、この試合でもダウンを喫するなど、苦しみながらの勝利だった。

にもかかわらず、約1年7ヶ月ぶりの世界戦に臨んだフルトンは、

フェザー級への階級での適応に自信を見せ、

「再び王者になるためには賢く戦わなければアイツを倒せない」と語り、

その決意が試合にしっかりと反映された。

 

▪️フィゲロアの挑戦

一方、フィゲロアはフルトン戦後、2023年3月にWBCフェザー級暫定王座を獲得。昨年5月には初防衛を果たし、同級王者レイ・バルガス(メキシコ)の負傷休養により正規王者に認定。フィゲロアはフルトンとの再戦前に米誌のインタビューで、

「井上尚弥を倒す力は十分にある」と自信を示し、

左でも右でもアウトボクシングでも接近戦でも対応できるとして、

強気な姿勢を見せていたが、技巧派のフルトンを相手に、

今回はその期待を裏切る結果となり王座陥落となった。

 

▪️フルトンの試合後のコメント

「みんなに感謝している。良い気分だ」とコメントし、再びチャンピオンに戻れたことへの喜びを表しました。また、フィゲロアについては「階級を上げてスローダウンした感じがした。パワーは前と同じだったけれど」と分析しました。そして、今後については「今はこの喜びを感じていたい。そのあとのことはまた考える」と

コメントを残している。

【文:高須基一朗】