STARTO ENTERTAINMENT 嵐ツアー巡る“なりすまし”被害に警鐘 偽サイト横行の裏に潜む法的リスクとは
芸能事務所のSTARTO ENTERTAINMENTは3月18日、公式Xのリーガルアカウントを通じ、人気グループ嵐のツアーに関連した“なりすまし”アカウントおよび偽サイトの存在について注意喚起を行った。ファン心理を巧みに突く手口が広がる中、単なる注意喚起にとどまらず、法的観点からも重大な問題が浮き彫りになっている。
■「公式配信」を装う巧妙な手口 実態は詐欺の可能性
同社は、「公式生配信を騙るサイトやなりすましアカウントが多数確認されている」と報告。現在開催中のツアー
「ARASHI LIVE TOUR 2026『We are ARASHI』」に関連し、“公式配信”をうたう偽サイトが出回っているという。
しかし同社は、「2026年3月18日時点で公式生配信の発表は一切していない」と明言。これらのサイトやアカウントは、個人情報の不正取得や金銭詐取につながる危険性があると強く警告した。
■法律上も重大な問題 詐欺罪・不正アクセス行為の可能性
こうした“なりすまし”行為は、単なる迷惑行為にとどまらない。法律上は複数の違反に該当する可能性がある。
まず、偽サイトでチケット代や配信視聴料を騙し取る行為は、刑法上の詐欺罪(刑法246条)に該当し得る。実際に金銭の授受が発生すれば、立件の対象となる可能性が高い。
さらに、個人情報を入力させて不正に取得する行為は、不正アクセス行為の禁止等に関する法律や個人情報保護法に抵触する可能性もある。特に、IDやパスワードの搾取を伴う場合は、不正アクセスの前段階としても問題視される。
また、タレントや公式を装ったアカウントは、民事上も不法行為(民法709条)や、場合によっては信用毀損・業務妨害といった刑事責任を問われる余地がある。
■“推し”を狙うサイバー犯罪 ファン側の注意義務も
近年、人気アーティストやイベントを狙ったフィッシング詐欺は増加傾向にある。特にライブ配信や限定チケットといった“希少性”を利用した手口は、心理的に冷静な判断を鈍らせやすい。
今回のケースでも、「公式」という言葉やロゴを巧妙に使い、本物と見分けがつきにくいケースが確認されているとみられる。
■公式情報の確認が“最大の防御策”
STARTO ENTERTAINMENTは、公式情報については自社の公式サイトを通じて発信していると強調。真偽不明のリンクやSNS投稿にはアクセスしないよう呼びかけている。
法的リスクの観点からも、一度個人情報を入力したり決済を行ったりすると、被害回復が困難になるケースは少なくない。被害防止の観点では、「公式サイトでの確認」という基本動作が最も有効な対策といえる。
■ドームツアー進行中 被害拡大への懸念も
なお、嵐は現在、全国5大ドーム(札幌・東京・名古屋・福岡・大阪)を巡るツアーを開催中。すでに札幌公演(3月13日〜15日)を終えており、今後も各地で公演が予定されている。
イベントの盛り上がりに比例して、こうした偽サイト・なりすましの増加も懸念される。ファンの“熱量”を狙った犯罪に対し、企業とユーザー双方のリテラシーが問われている。

