夏の甲子園▶︎沖縄尚学が悲願の初制覇 15年ぶり県勢優勝で沖縄野球の新時代開く
2025.8.23
第107回全国高校野球選手権大会は23日、甲子園球場で決勝戦が行われ、沖縄尚学(沖縄)が日大三(西東京)を3―1で下し、ついに夏の大会で初優勝を果たした。
沖縄勢の優勝は2010年に興南が春夏連覇して以来、15年ぶり2度目の快挙。
島袋洋奨を擁した興南以来の歓喜が、再び沖縄に訪れた。
試合は序盤に相手に先制を許したが、沖縄尚学の打線はすぐさま反撃。2回、阿波根裕外野手(3年)が左翼線へ痛烈な二塁打を放ち同点とすると、6回には主将で4番の宜野座恵夢捕手(3年)が勝ち越しの適時打を記録。さらに8回にも宜野座がダメ押しの二塁打を放ち、勝負を決定づけた。
投手陣も堂々の投球を見せた。先発の新垣有絃投手(2年)が8回途中までわずか1失点と力投。終盤は同じく2年生の末吉良丞投手が継投し、9回には自らの失策でピンチを招きながらも、最後は併殺で締め、沖縄の夢を現実へと導いた。
沖縄尚学はこれまで1999年、2008年に選抜優勝を経験しているが、夏の栄冠には縁がなかった。それだけに、今回の勝利は県勢にとって歴史的な意味を持つ。甲子園のアルプスに集った応援団からは「ついに沖縄の夏が来た」と歓喜の声が響いた。
敗れた日大三も、2011年以来の王座奪還を目前にして堂々の戦いを演じたが、あと一歩及ばず。涙を流す選手たちに、スタンドからは惜しみない拍手が送られた。