甲子園・・・広陵高校が、夏の大会を異例の出場辞退 背景に相次ぐ暴力・暴言疑惑と指導体制の不信感
2025.8.10
【広陵高校硬式野球部・instagramより画像】
第107回全国高校野球選手権大会で広島代表として戦っていた広陵高校が10日、突然の出場辞退を発表した。7日の1回戦で北海道代表・旭川志峯を下し、2回戦進出を決めたばかりの強豪校の離脱は、甲子園ファンに大きな衝撃を与えている。
同校を運営する学校法人によれば、9日に開かれた緊急理事会で辞退を決定。理由として、過去に日本高等学校野球連盟(高野連)へ報告済みだった部員間の暴力事案に加え、監督やコーチによる暴力・暴言疑惑がSNS上で浮上し、事態を「重く受け止めた」と説明した。現在、第三者委員会による調査が進行中で、学校側は全面的に協力するとしている。
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発表文では被害を受けた部員と保護者への謝罪に加え、全国の高校野球ファンや対戦予定だった津田学園、さらには高野連や県連盟など関係各所への謝罪が繰り返された。しかし「いかなる暴力も認めない」と掲げてきた学校方針と、今回明るみに出た実態との乖離は否めず、再発防止の具体策や責任の所在については現時点で明言されていない。
一方で、SNS上には事実と異なる憶測や、関係のない生徒への誹謗中傷も拡散していると学校側は警告。選手や職員の名誉保護を訴える一文も添えられた。
甲子園常連の名門が大会途中で姿を消す異例の事態。背景には、単なる一部指導者の不祥事ではなく、長年の体質や組織的なガバナンスの甘さが潜んでいる可能性も指摘されている。真相解明と信頼回復には、今後の調査と説明責任が問われることになりそうだ。