“話題先行”の男がランキング入り YouTuberジェイク・ポールがWBA世界14位に浮上
2025.7.3
【©️Jake Joseph Paul 】
プロボクシング界にまたしても異色のニュースが飛び込んだ。
世界4大団体のひとつWBAが3日までに発表した最新ランキングで、
米国出身の人気ユーチューバー、ジェイク・ポール(28)がクルーザー級(リミット90.7kg)で14位にランクインしたことだ。
異例の昇格劇に、ボクシング界では賛否両論が巻き起こっている。
ポールはユーチューブで約2090万人の登録者を抱えるインフルエンサー。
プロボクサーとしてのデビューは2020年と比較的最近ながら、現在までに12勝1敗(7KO)という戦績を積み上げている。これまでに元世界王者との試合もこなし、6月には元WBC世界ミドル級王者フリオ・セサール・チャベス・ジュニア(39=メキシコ)との10回戦をフルラウンドで制した。
また、昨年11月には“鉄人”マイク・タイソン(59)とのエキシビションマッチを実施。
8回判定勝ちという結果が大きな話題を呼び、リング内外での存在感を一層強めた。
しかし、今回の世界ランキング入りには「実績に比して過大評価ではないか」という懸念の声もある。現役世界王者のヒルベルト・ラミレス(メキシコ)を筆頭に、長年キャリアを積み重ねてきた正統派ボクサーたちがひしめく階級で、ポールの急浮上は前例に乏しい。
とはいえ、エンタメと競技の境界を揺さぶり続ける彼の存在が、ボクシング界に新たな観客層と熱量を呼び込んでいるのも事実。プロモーションの巧妙さ、相手選定の戦略性、そして実際に勝利を収めている点は、評価に値する。
果たして、話題性だけでなく“本物”として実力を証明できるのか。
ランキング保持者として、今後のマッチメークと結果にはこれまで以上の責任が伴う。