野杁正明、ONEで待望の初勝利!! 鮮烈なKO劇でフェザー級戦線に再浮上
<ONEチャンピオンシップ:170大会>
◇2025年1月24日◇タイ・インパクトアリーナ
タイ・インパクトアリーナが熱狂に包まれた。
元K-1ワールドGPの2階級制覇王者・野杁正明(31=team VASILEUS)が、
フェザー級キックボクシングの舞台でシャーキル・タクレティ(28=イラク)を相手に
圧巻のパフォーマンスを披露。
第2ラウンド14秒、鮮やかなKO勝利を飾り、待望の初白星を手にした。
野杁にとってこの勝利は、ONEチャンピオンシップでの復活劇を意味するものだ。
デビューから2連敗と苦境に立たされた中での勝利は、
彼にとってもファンにとっても大きな一歩となった。
圧倒的な攻撃スタイルで主導権を掌握
野杁のローキックが試合を決めた
試合は序盤から野杁のペース。
ゴングが鳴るや否や前に出る積極的なスタイルでプレッシャーをかけ、
シャーキル・タクレティを追い込んでいった。
特に注目されたのは、野杁の代名詞である下から的確に崩すローキック。
1ラウンド中盤、鋭いローキックがタクレティの左足を確実に捉え、
バランスを崩させる場面が続く。
終盤にはついにダウンを奪うも、相手はゴングに救われた。
迎えた第2ラウンド。
開始直後から攻勢を強めた野杁は、
今度はタクレティの右足を破壊する強烈なローキックを放つ。
タクレティは立ち上がれず、そのまま試合終了。
KO勝利の瞬間、会場は歓声と驚嘆の声に包まれた。
試合後インタビューで感謝と決意を表明
「目標はフェザー級のベルト」
試合後のインタビューで、野杁は喜びと感謝の言葉を口にした。
「素直に嬉しい気持ちが一番です。ただ、前回12月の試合で負けたにもかかわらず、短期間でまたこのような舞台を用意してくださったONEチャンピオンシップ、そしてチャトリCEOには感謝しかありません」とコメント。
さらに、「自分の目標はフェザー級キックボクシングのベルトを獲ることです。今回の勝利でようやくスタートラインに立てたと思っています」と、さらなる飛躍への意欲を示した。
3月の日本大会出場を熱望
日本ファンへの思いも語る
次戦として注目されるのは、3月に予定されている「ONE 172」日本大会(さいたまスーパーアリーナ)。野杁はこの大会への出場に強い意欲を示している。
「ケガもなく準備も万全です。ぜひ日本大会で、
目標であるベルト獲得につながる試合を実現したい」と語り、
さらに日本のファンに向けても思いを伝えた。
「日本の地で再び戦える機会があれば最高です。
勝利を届け、さらなる成長を見せたい」と力強いメッセージを送った。
フェザー級戦線の注目株へ
さらなる進化を遂げたローキック
今回の勝利で、野杁は再びフェザー級のタイトル戦線に名乗りを上げた。
進化を遂げたローキックは試合を決める大きな武器となり、
チーム内での技術向上の成果も感じられる。
武尊選手や与座選手を彷彿とさせる精度の高いローキックは、
今後の戦いにおいても重要な鍵を握るだろう。
日本大会で再び勝利を収め、タイトルへの道を切り開けるのか――
今後の活躍に期待したい。
【文:高須基一朗】