井上尚弥が異例の興行に挑む!! 4団体統一王者として再び世界の頂点へ

2025.1.23

【井上尚弥公式Xより©️TeamInoue】

ボクシング界の「モンスター」井上尚弥(大橋)が再びリングに上がる。

24日、東京・有明アリーナで行われるスーパーバンタム級(55.3キロ以下)の

4団体統一防衛戦では、WBO11位のキム・イェジュン(韓国)を迎え撃つ。

試合を目前に控えた23日には神奈川・横浜市内で前日計量が行われ、

両選手とも55.2キロで一発クリア。

今回の興行は延期や対戦相手変更が続く異例の形となったが、

注目度はさらに高まっている。

この試合は、NTTドコモの映像配信サービス「Lemino」で独占無料生配信されることが決定しており、

国内外から多くのファンがその瞬間を見守ることになる。

戦績では、31歳の井上が28勝(25KO)の無敗記録を誇り、

32歳のキムは21勝(13KO)2敗2分と実力派だ。

計量で見せた井上の自信と余裕

計量では、まず王者の井上が登場。

一発クリアが宣言されると、両腕を上げて力こぶを作り、

鍛え抜かれた肉体を堂々とアピールした。

その姿には、4団体のベルトを守る王者としての自信と余裕が感じられた。

続けて挑戦者キムも計量を無事通過し、陣営からは拍手と声援が沸き起こった。

計量後のフェースオフでは、

井上とキムが14秒間にらみ合う緊張感あふれる場面が展開。

井上は精悍な表情を崩さず、小さく頷きながらキムの視線を受け止めた。

日韓の誇りを背負った両者の対決は、すでに火花を散らしている。

延期と相手変更、試練の先にあるもの

今回の試合は、当初予定されていた

WBO&IBF1位のサム・グッドマン(オーストラリア)の負傷により、

1か月延期となった。

その後もグッドマンが再負傷し、試合は最終的に中止に。

リザーバーとして準備を進めていたキムが急遽出場することになった。

この異例の展開にも井上は動じることなく、2か月にわたる調整を行ってきた。

「本当にいよいよだなと感じています。

2か月は長かったけれど、その分楽しみです」と井上は語り、

延期や相手変更によってさらに試合への期待感が高まったことを明かした。

孤児院育ちの挑戦者キム、逆境からの挑戦

対するキム・イェジュンは波乱万丈の人生を歩んできた。

両親を早くに亡くし、19歳まで孤児院で育ったという背景を持つ。

アマチュア経験はなく、20歳からボクシングを始めたキムは、

キャリア初期に連敗を喫しながらも地道な努力を続け、地域王座を獲得。

世界ランカーとしての地位を築いた。

日本人選手との対戦では7戦全勝の成績を誇り、

左右両構えで戦う独特のスタイルと「トラブルメーカー」という愛称で知られている。

オーストラリアでの合宿を経て挑む今回の一戦は、

キムにとって人生を変える大きなチャンスだ。

勝利すれば、18年ぶりとなる韓国人世界王者の誕生となる。

井上の今後の計画と試合への期待

井上が今回の防衛戦を成功させれば、

現役選手最多となる世界戦通算24勝目(歴代9位タイ)を達成する。

また、4団体統一王座を守るのはこれが3度目となり、

歴史的な快挙をさらに塗り替える可能性がある。

さらに、井上にはすでに次なる大舞台が待っている。

今年4月にはボクシングの聖地ラスベガスでの興行、

9月にはサウジアラビアでの試合計画が浮上しており、

その先にはさらなる栄光が広がっている。

24日の試合では、両者の運命が交錯する。

世界の頂点を守る井上尚弥、

そして逆境から這い上がった挑戦者キム・イェジュン。

彼らが繰り広げる激闘は、ボクシングファンのみならず、

世界中のスポーツファンに感動を届けてくれるだろう。