PFLで19戦無敗のヒズリエフ選手がシェイドゥラエフへの王座挑戦を敵意むき出しで対戦要求

2026.10.18

銃撃事件による重傷と約2年のブランクを乗り越え、無敗記録を19試合に伸ばした。2024年のPFLフェザー級トーナメント王者ティムール・ヒズリエフが、ガブリエル・ブラガとの再戦を2-1の判定で制した。接戦の末につかんだ勝利は、復帰への大きな一歩となった。一方、試合後には現王者ラジャブアリ・シェイドゥラエフへの挑戦を希望。フェザー級の次期タイトル戦線に向け、自ら名乗りを上げた。


 

 

▪️銃撃事件からの復帰戦 19戦無敗を維持

2026年10月16日(日本時間17日)、米イリノイ州シカゴのウィントラスト・アリーナで開催された「PFL Chicago: Carmouche vs. Bishop 2」。コメインイベントのフェザー級マッチで、ヒズリエフはブラガと対戦した。

試合は5分3ラウンドで行われ、判定は2-1。

ヒズリエフが勝利してプロ戦績を19勝無敗とした。

ヒズリエフにとって、この一戦は単なる再戦ではなかった。

2025年7月、ロシア・ダゲスタン共和国マハチカラの自宅近くで、覆面姿の男2人から銃撃を受けた。肩や手首、胸などに計5発の非致死性弾を受け、

手の開放性複雑骨折などの重傷を負い、緊急手術を受けていた。

競技復帰までに長い時間を要したヒズリエフ選手。

2024年のPFLトーナメントを制した実力者が、

約2年ぶりの実戦でどのようなパフォーマンスを見せるのかが注目されていた。

 

▪️ブラガの打撃に苦戦 最終ラウンドで攻勢

両者は2024年8月の「PFL 9: 2024 Playoffs」でも対戦している。

このときは、右カーフキックを軸に攻めるブラガに対し、ヒズリエフがボディ攻撃を織り交ぜ、終盤には組み技も使いながらペースを掌握。

スプリット判定で勝利していた。

今回の再戦は、序盤から互いに譲らない展開となった。

1ラウンド、ヒズリエフは手数を増やし、右アッパーでブラガのバランスを崩す。

一方のブラガも左フックをヒットさせ、ヒズリエフの腰を落とす場面をつくった。

2ラウンドにはブラガが左フックから右ストレートにつなげ、ヒズリエフがマットに手を着く場面も見られた。ブラガは相手の組み技を切りながら打撃を当て、試合の主導権を握る時間帯をつくった。

迎えた最終ラウンド、ヒズリエフは前に出て攻撃の手数を増やす。徐々に勢いが落ちたブラガに対し、積極的に攻め続け、判定勝利を引き寄せた。

スコアは29-28が2人、28-29が1人という僅差。

復帰戦を圧勝で飾ることはできなかったものの、競り合いを制して無敗記録を守った。

 

▪️「試合の感覚を取り戻すのは大変だった」

試合後、ヒズリエフは会場でのケージ内インタビューには登場しなかったが、バックステージで取材に応じ、長期離脱を経てリングならぬケージに戻った難しさを明かした。

「コンディションを戻して試合の感覚を取り戻すのは大変だった。正しい精神状態になるのが少し難しかった」

約2年のブランクは、体力面だけでなく、試合に臨む精神面にも影響を及ぼしていたようだ。また、同じ大会に出場した弟ガミッド・ヒズリエフの試合にも緊張したと振り返った。

今回の判定については、自身が1ラウンドと3ラウンドを取ったとの認識を示した。

19戦無敗という記録については、数字そのものに強くこだわっているわけではないという。

「無敗記録を守ることにこだわりすぎると…自分はそういう考え方が好きではないんです。全力を尽くして、結果がどうなるかを見届けるだけ」

記録を守ることよりも、目の前の試合で全力を尽くす。

その姿勢を示しながら、ヒズリエフは復帰戦で結果を残した。


 

▪️次はシェイドゥラエフとの王座戦か 自ら挑戦を要求

ヒズリエフが次に見据えるのは、PFLフェザー級王座を持つラジャブアリ・シェイドゥラエフとの対戦だ。

ヒズリエフは2024年のPFLトーナメントを制した当時、自身がランキング1位に位置していたと説明。その後、長期離脱している間に、AJ・マッキーら後続の選手に順位を追い越されたという認識を示した。

「でも今は、本来なら私が彼より上にいるべきはずです。順当に考えれば、次は私が王者(シェイドゥラエフ)に挑戦する番です」

復帰戦で白星を挙げたことで、王座挑戦に向けたアピールにも力が入る。もっとも、今回の勝利だけで次期挑戦者が決まったわけではなく、今後のマッチメイクが焦点となる。

 

▪️AJ・マッキーの動向も絡むフェザー級戦線

シェイドゥラエフを巡っては、AJ・マッキーも再戦をアピールしている。

5ラウンド制のケージユニファイドルールで再戦したい意向が伝えられており、

王者の次戦には複数の候補が浮上している状況だ。

ヒズリエフはトーナメント王者としての実績を持ち、今回の復帰戦でも無敗記録を継続した。

一方、長期離脱を経たばかりであり、次戦に向けてどのような評価を受けるかも重要になる。

銃撃事件という衝撃的な試練を乗り越え、再び勝利を手にしたヒズリエフ。

19戦無敗という実績を携え、シェイドゥラエフへの挑戦を実現できるか。