トム・クルーズ 新作映画『ディガー』北米初週末12億円で5位発進 新境地に挑んだ話題作がまさかの苦戦
ハリウッドを代表するスター、トム・クルーズさんの主演最新作『DIGGER/ディガー』が、北米で厳しいスタートを切った。
公開初週末の北米興行収入は約800万ドル(約12億6400万円)。大規模な宣伝を展開した話題作ながら、週末興行ランキングでは初登場5位にとどまった。
アクション大作を次々とヒットさせてきたクルーズさんにとって、従来のイメージとは異なる作品だけに、その興行動向が注目されている。
▪️トム・クルーズが挑んだ「新たな役柄」
『DIGGER/ディガー』は、アレハンドロ・イニャリトゥ監督が手掛けた作品。
クルーズさんが演じるのは、これまで多くの作品で見せてきた超人的なアクションヒーローとは一線を画す役どころだ。
環境破壊を引き起こした石油王を演じる舞台俳優を主人公に据えた物語で、クルーズさんにとっても新たな演技領域への挑戦となっている。
ここ20年ほどは『ミッション:インポッシブル』シリーズをはじめ、アクションを前面に押し出した作品で世界的な人気を維持してきた。
だからこそ、今回のような作品でどこまで観客を引きつけられるのかは、ハリウッドでも大きな関心を集めていた。
▪️評価は分かれるも 興行では厳しい結果
作品そのものに対する批評家の評価は一様ではなく、賛否が分かれている。
しかし、興行面では厳しい数字となった。
業界調査会社レントラックの集計によれば、『DIGGER/ディガー』は初登場5位。アマゾン・ドット・コム傘下のメトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)が手掛けた『ヴェリティ/真実』や、ソニー・ピクチャーズエンタテインメントの『バイオハザード』などを下回る結果となった。
クルーズさんという世界的スターを主演に迎え、イニャリトゥ監督という実力派を起用した作品としては、インパクトに欠けるスタートになったといえる。
▪️ワーナーにとっても節目の作品に
今回の興行結果は、主演俳優だけでなく、配給を担ったワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)にとっても重要な意味を持つ。
『DIGGER/ディガー』は、パラマウント・スカイダンスによる買収完了を目前に控えたタイミングで公開された、WBDにとって最後の作品となった。
今年のワーナー作品は興行面で苦戦するケースが相次いでおり、『ザ・ブライド!』や『オークストリートの異変』なども期待された成果を残せなかった。
一連の作品による損失は数億ドル規模に達しているとされ、『DIGGER/ディガー』もその流れを変える作品とはならなかった。
▪️買収後の新体制でハリウッドはどう変わる?
ワーナーをめぐっては、映画部門を率いてきたマイケル・デ・ルカ氏とパメラ・アブディ氏が、6日に予定される買収完了後の統合会社には加わらない見通しとなっている。
一方、パラマウント・スカイダンスのデービッド・エリソンCEOは、統合する2つのスタジオから年間30作品を公開する方針を示している。
今後の映画部門は、パラマウント・ピクチャーズの会長を務めるダナ・ゴールドバーグ氏とジョシュ・グリーンスタイン氏が統括することになる。
さらに、WBD側からはDCスタジオを率いるピーター・サフラン氏とジェームズ・ガン氏、HBOのケーシー・ブロイズCEOら複数の幹部が統合会社に加わると報じられている。
大型買収によってハリウッドの勢力図が変わるなか、『DIGGER/ディガー』の苦戦は、単なる1作品の興行結果にとどまらない意味を持つ可能性もある。
▪️クルーズさんは「映画を作り続けること」を願う
9月下旬、全米製作者組合(PGA)が主催した『DIGGER/ディガー』の上映会に出席したクルーズさんは、同作が十分な興行成績を残し、スタッフにクリスマスボーナスが支給され、今後も同じような映画が作られていくことへの期待を語ったという。
長年にわたってハリウッドの第一線を走り続けてきたクルーズさんにとって、本作は単なる新作ではない。
アクションスターとして確立した地位から一歩踏み出し、異なるジャンルで観客に作品を届けようとする挑戦でもある。
北米では厳しい滑り出しとなったものの、日本では9日に公開を迎える。
果たして日本の観客は『DIGGER/ディガー』をどう受け止めるのか。

