ONE 172でグレゴリアンの計量失敗で試合消滅
海人vsグレゴリアンの試合消滅
【©️ONE Championship】
2025年3月23日(日)、さいたまスーパーアリーナで開催される
『ONE 172: TAKERU vs. RODTANG』にて、第8試合として予定されていた
ONEフェザー級(70.3kg)キックボクシング3分3R、マラット・グレゴリアン(アルメニア/初代K-1スーパー・ウェルター級王者) vs. 海人(TEAM F.O.D/SB世界スーパーウェルター級王者)の試合の中止が発表された。
■ 試合中止の原因はグレゴリアンの計量失敗
試合前日、10:00からの本計量において、グレゴリアンは13:00までの制限時間内に一度も姿を見せず、尿サンプルも提出しなかった(なお、10:00前の予備計量には出席していた)。関係者によると、本計量終了の約1時間後に現れ、シュートボクシング側や海人陣営の立ち会いがない中で、ハイドレーションテストと計量を行ったという。その後、公開計量&フェイスオフイベントには出席したものの、この時点ではキャッチウェイトでの試合実施について両者の合意は得られていなかった。
試合実現に向けて、イベント後にONEと両陣営でキャッチウェイトの交渉が行われたものの、最終的に合意に至らず、この試合の中止が決定。ファンや関係者にとっては残念な結果となった。
■ 海人「世界最強に向けて前進するだけ」
試合消滅を受け、海人は自身のSNSを更新。「今日の試合中止になる事になりました。楽しみにしててくれた皆様すみません。ここまで仕上げてきて試合が出来ないのは本当に悔しいし、なにも知らない人達から色々言われる事も悔しい。ただ俺はもう世界最強に向けて前進するだけ。この階級にいるならまたいつか巡り合う。その時は万全な状態で倒させてくれ。皆様本当に応援ありがとうございました。次戦に向けて引き続き仕上げていきます。期待してて下さい」とコメントした。
計量の失敗はプロフェッショナルな舞台では許されるべきではなく、特にトップレベルのファイターとしての責任が問われる場面だ。海人は自らの責任ではない試合中止にも関わらず、前向きな姿勢を崩さずに次戦への決意を示している。
■ グレゴリアンの戦歴と背景
マラット・グレゴリアンは、キックボクシング界で名高い実力者であり、初代K-1スーパー・ウェルター級王者の肩書きを持つ。また、GLORYやONEでの活躍も目覚ましく、特にパンチを軸にした圧倒的な攻撃力で数々の強豪を撃破してきた。
彼のキャリアの中で特筆すべきは、2018年にGLORYライト級王座を獲得し、シッティチャイ・シッソンピーノを破った一戦だ。その後もGLORYやONEでのタイトル戦線で活躍し、世界トップクラスの選手としての地位を築いている。
しかしながら、今回の計量失敗により、プロフェッショナルとしての意識に疑問が投げかけられる事態となった。
海人にとって、今回の一件は試合を戦う以前の問題として悔しさの残るものだったに違いない。しかし、彼の目標は変わらない。「世界最強」という明確なビジョンを持ち、
次の試合に向けて準備を進める姿勢は、多くのファンの共感と支持を集めるだろう。
ファンとしては、この階級に2人がいる限り、海人とグレゴリアンが改めて拳を交える日が来ることを期待したい。
そのときには、万全な状態での対決が実現し、
世界中の格闘技ファンが熱狂する一戦となるはずだ。