サッタリが背負う覚悟「今、大変な状況のイランのために優勝する」K-1 -90kg世界最強決定トーナメント直前インタビュー

2026.1.28

【©️K-1】

2月8日(日)、東京・国立代々木競技場第二体育館で開催される『K-1 WORLD GP 2026 ~-90kg世界最強決定トーナメント~』。その準々決勝で、マハムード・サッタリ(イラン/TEAM大和魂)がルーカス・アハテルバーグ(ドイツ/Team CSK/Sparta Aachen)と激突する。

 

“K-1クルーザー級戦線の異端児”とも言える存在感を放つサッタリは、近年その強さと覚悟を着実に積み上げてきた。2024年9月にはK-1 WORLD GPクルーザー級タイトル戦で王者リュウ・ツァーに挑戦。2025年10月には『JAPAN MARTIAL ARTS EXPO PROLOGUE』で巌流島ルールに初挑戦し、マーカス・レロ・アウレリオからKO勝ちを収めた。同年5月にはティアン・ターザンからダウンを奪い、9月には山口翔大をKO。敗北を恐れぬ姿勢と攻撃力で存在感を示し続けている。


 

▪️「オファーを聞いた瞬間、すぐOKした」

待望の-90kg世界トーナメント。サッタリは、出場オファーを受けた瞬間をこう振り返る。

「オファーを聞いた瞬間、私はすぐにOKを出しました」

並み居る強豪が集結するトーナメントだが、その顔ぶれにも動じる様子はない。

「まったく問題ない。気になる選手? いないです」

ボグダン・ストイカ、イブラヒム・エル・ボウニ、ニキータ・コズロフら優勝候補の名前を挙げられても、反応は淡々としている。

「知らない。試合をしてみれば分かる。パンチをガードで受ければ、どれだけ強いか分かる。それで十分です。1日3試合、3KOで勝ちます。そのくらい自信があります」

 

▪️初戦の相手は“2メートルの王者”

当初はK-Jeeとの対戦が予定されていたが、負傷欠場により対戦相手は急遽変更。初戦で相まみえるのは、身長200cmのFair FCライトヘビー級(-91kg)王者、ルーカス・アハテルバーグだ。16戦15勝(6KO)という戦績を誇り、EnfusionやSENSHIで活躍、MMA経験も持つ難敵である。

しかしサッタリは一切意に介さない。

「全然気にしていません。私のパンチをもらったら、誰でも倒れます。倒れたら、もう立つことはできないでしょう」

 

▪️背負うのは、母国イランの現実

この揺るぎない自信の裏には、技術やフィジカルだけではない“変化”があるという。

「メンタルが変わりました。今、とてもいい練習ができています」

その一方で、サッタリは深刻な現実とも向き合っている。母国イランでは政情不安が続き、反体制運動と権力闘争が激化。取材時点(1月14日)では、インターネット遮断により家族とも連絡が取れない状況だった。

「私は日本に住んでいますが、両親はテヘランの近くにいます。今は連絡も取れない。本当に大変な状況で、戦争で1万2000人以上が亡くなったというニュースも流れました。怖いし、ストレスもたくさんあります」

それでもサッタリは、リングに上がる決断をした。

「正直、頭が混乱してどうしたらいいか分からなかった。でも、イランの人たちはフリーダムのために戦っている。普通の生活をしたいだけなんです。私は日本にも家族がいるし、K-1からオファーをもらった以上、リングで戦うと決めました。このストレスを力に変えなければ意味がない」

 

▪️「戦うのはリングの中だけでいい」

“青い目のサムライ”と呼ばれ、日本とイラン、二つの国を背負って戦うサッタリ。そのメッセージは明確だ。

「今回も、日本とイランのために戦います。戦うのはリングの中だけにしてほしい。リングに上がれば、相手を立てなくなるまで攻撃します。それがファイターの仕事だから。でも、選手全員をリスペクトしています。試合が終わればノーサイド。私たちは敵じゃない。仲間です。イランの魂と大和魂。世界の人に、子どもたちに、フェアな戦いを見せたい。そのために、今回優勝します」