人気マンガ「ブルーロック」下書き掲載の背景 制作現場の事情から考える

2026.1.17

【©️講談社】

「週刊少年マガジン」(講談社)で連載中の人気サッカーマンガ『ブルーロック』の第331話が、一部でいわゆる「下書き状態」のまま掲載され、話題となった。これを受け、作品の公式X(旧Twitter)は謝罪文を投稿。さらに作画担当のノ村優介氏も自身のXで、年末の過密なスケジュールに対応しきれず、体調面でも限界を迎えた結果、未完成の原稿が掲載される形になったと説明している。

完成度の高い作画で知られる人気作品だけに、驚きをもって受け止めた読者も少なくなかった。一方で、今回の出来事は、マンガ制作の現場が抱える構造的な事情を浮き彫りにしたとも言える。


 

▪️下書き掲載は過去にも起きている

原稿が下書き状態で掲載されるケースは、今回が初めてではない。過去にも週刊誌連載の人気作で、作画が未完成のまま掲載された例があり、そのたびに読者の間で議論を呼んできた。

一定数の戸惑いや意見が出るのは自然な反応だが、制作側が作品の完成度や作者の体調を軽視しているわけではない点も理解しておきたい。

 

▪️人気と継続を両立させる難しさ

現在のマンガは、アニメ化やドラマ化、ゲーム化など、マルチメディア展開を前提に制作されることが多い。映像化や関連企画が増えることで、原作監修や各種調整、描き下ろしなど、マンガ家に求められる役割も広がっている。

特に作画担当にかかる負担は大きく、締切や印刷工程といった出版スケジュールが厳格に存在する以上、柔軟な対応が難しい場面も少なくない。

 

▪️休載という選択とその影響

休載を選ぶことも一つの方法だが、連載作品にとっては勢いや注目度を維持することも重要だ。熱心なファンは理解を示しても、ライトな読者層が離れてしまう可能性がある点は、制作側にとって悩ましい判断材料となる。

かつてほど休載に厳しい空気はなくなったものの、連載を続けること自体が作品の生命線であることに変わりはない。今回の『ブルーロック』の件も、そうした現実の中で起きた出来事と捉えることができるだろう。