愛される名将の“原流サプライズ”青学大3連覇の陰にあった、卒業生への変わらぬ感謝 箱根Vのご褒美は「思い出を分かち合う旅」
第102回箱根駅伝で往復路、総合すべてが
大会新記録という歴史的快挙を成し遂げ、
史上初となる同一チーム2度目の3連覇(通算9度目)を達成した青学大。
その栄光の裏で、原晋監督(58)が見せた
“名将の粋な計らい”が、改めて注目を集めている。
原監督は4日、5区で圧巻の区間新記録を打ち立て「シン山の神」「4代目・山の神」を襲名した黒田朝日選手(4年)や、8区で3年連続区間賞を獲得した塩出翔太選手(4年)ら、チームを支え抜いた4年生選手とマネジャー計14人に
卒業旅行をプレゼントすることを明かした。
大学スポーツ界では極めて異例とも言えるこの取り組みだが、
原監督にとっては2016年以降、すっかり“恒例行事”。
テレビ出演や講演などで得た副収入の一部を充て、
「学生スポーツは4年生が主役。最後までよく頑張った」
という感謝を、形にして伝え続けてきた。
「円安の今、ハワイより国内の高級旅館でおいしいお寿司もいいよ。監督は行かないし、学生で決めればいい」
そう語る表情は、勝利を誇る指揮官というより、
我が子の成長を見守る“頼れる大人”そのもの。
黒田選手の「箱根もいいかも」という冗談に、
チームメートが即座に総ツッコミを入れる場面からも、
指導者と選手の距離の近さが窺い知れる。
寮母でもある妻・美穂さんの
「どこに行くかより、誰と行くかが大事」という言葉も、
青学大らしい“人を育てる哲学”を象徴している。
さらに2月には、4年生全員で大阪を訪れ、昨年21歳で亡くなった同期・皆渡星七さんを偲ぶ「ななつぼしマラソン」に参加予定。
塩出選手は「優勝して、星七にいい報告ができます」と静かに決意を語った。
今季の4年生は作戦名から「輝け世代」と呼ばれる。
競技を続ける者、一区切りをつける者、それぞれが次の舞台へ羽ばたく前に、同じ釜の飯を食い、同じ坂を越えた仲間と語り合う時間―それこそが、原監督が贈る最大の“報奨”なのだろう。

