ハーパーがついに叶えた星条旗への誓い「15歳の原点」から始まったWBCへの執念
前回大会は無念の辞退、米国代表は史上屈指の“完成形”へ
【from Harper official Instagram 】
米国野球界を象徴するスラッガーが、ついにその舞台へ帰ってくる。
フィリーズのブライス・ハーパー内野手(33)が
23日(日本時間24日)、自身のインスタグラムを通じて、
来年3月開催のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)
米国代表としてプレーする決意を正式に表明した。
投稿されたのは、星条旗カラーのユニホームに身を包んだ自身のイメージ写真。
そこに添えられた言葉は、静かだが重みがあった。
「15歳のとき、初めてこのカラーを胸に着けた。
その感覚に勝るものはない。WBCで米国を代表できることに興奮している」
メジャーリーグMVP2度、新人王に輝き、通算363本塁打を誇る超一流選手。その輝かしいキャリアの裏で、ハーパーは常に“代表”という言葉に特別な感情を抱いてきた。
実は前回大会でも、ハーパーは出場の意思を明確にしていた。しかし、シーズンオフに受けた右肘の靱帯再建手術が影を落とす。復帰を最優先せざるを得ず、苦渋の決断で辞退。世界一決定戦の舞台を、テレビ越しに見つめるしかなかった。
だからこそ、今回の参戦表明には「悲願」という言葉がふさわしい。
ハーパーは以前から2028年ロサンゼルス五輪出場にも意欲を示しており、代表ユニホームを着て戦うことを、キャリアの重要な目標として掲げてきた。WBCは、その第一歩とも言える。
そして、ハーパーの合流で米国代表は“完成形”へと近づいた。
これで出場表明は22選手。野手は全ポジションが埋まり、アーロン・ジャッジ(ヤンキース)を筆頭に、ローリー(マリナーズ)、ウィット(ロイヤルズ)、クロー=アームストロング(カブス)ら、球界を代表するタレントがずらりと名を連ねる。
投手陣も豪華だ。今季サイ・ヤング賞を獲得したスキーンズ(パイレーツ)、スクバル(タイガース)が参戦を表明し、層の厚さは他国を圧倒する。
「最強」の称号を背負うにふさわしい布陣。
その中心に、ようやくブライス・ハーパーが立つ。
15歳の少年が抱いた憧れは、時を経て、今や国を背負う覚悟へと昇華した。
WBCの舞台で、その思いがどんな打球となって放たれるのか。

