WBC米国代表、投手陣が一変 スクバル参戦で完成した“最強ローテ” 侍ジャパンへの影響は

2025.12.19

【from Tarik Skubal official Instagram】

来春開催のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、米国代表の戦力図が大きく塗り替えられた。大会主催者は18日、デトロイト・タイガースの左腕タリク・スクバル投手(29)が米国代表に加わることを発表。すでに参戦が決まっているポール・スキーンズ投手(パイレーツ)と合わせ、サイ・ヤング賞投手2人を擁する異例の布陣が完成した。

これまで「野手は豪華、投手は未知数」と見られてきた米国代表だが、その評価はもはや過去のものとなりつつある。


 

▪️メジャー最強左腕の決断が意味するもの

スクバルはメジャー屈指の左腕として評価されてきた。2024年に18勝4敗、防御率2.39でア・リーグのサイ・ヤング賞を受賞すると、今季も13勝6敗、防御率2.21と安定感を維持し、2年連続で同賞を獲得。奪三振能力、制球力、そして短期決戦で生きる強気の投球スタイルは、WBCという舞台との相性も抜群だ。

そのスクバルが国際大会への参加を決断したことは、米国代表が「本気で勝ちに来ている」ことを明確に示している。

 

▪️スキーンズとの“サイ・ヤング賞コンビ”が生む圧力

すでに代表入りが決まっているスキーンズは、ナ・リーグのサイ・ヤング賞右腕。剛速球と圧倒的な支配力を誇る若きエースだ。左のスクバル、右のスキーンズという組み合わせは、対戦相手にとって準備が極めて難しい。

さらに、先発候補にはボイド(カブス)、ライアン(ツインズ)と実績ある投手が並び、

ブルペンにはパドレスの剛腕ミラーも加わる見通し。

守護神起用も現実的で、試合終盤の安定感も大きく向上する。

 

▪️侍ジャパンに突きつけられる新たな課題

連覇を狙う侍ジャパンにとって、最大のライバルである米国の投手力強化は看過できない。これまで日本は、投手力と機動力、緻密な攻撃で優位性を築いてきたが、メジャー最高峰の左右エースが並ぶローテーションは、その前提を揺るがす存在となる。

野手陣では主将アーロン・ジャッジ(ヤンキース)を中心に、ローリー(マリナーズ)、シュワバー(フィリーズ)、スミス(ドジャース)ら長距離砲が顔をそろえる。そこに“本物のエース級投手”が加わったことで、米国代表は攻守両面で完成度を高めた。

球団側の事情から投手の参加が不透明とされてきたWBCだが、スクバルとスキーンズというトップ2の参戦決定は、流れが変わったことを象徴している。米国代表はもはや「名前だけのドリームチーム」ではない。