ボクシング世界タイトルWBC王座剥奪にクロフォード不満爆発!! SNS時代ならではの“瞬間的反発”と業界側の論理が交錯
世界ボクシング評議会(WBC)は3日、世界スーパーミドル級王者テレンス・クロフォード(米国)の王座剥奪を発表した。男子史上初の“3階級4団体統一”という偉業からわずか3か月での決定は大きな波紋を呼び、本人はSNSで強烈な不満をぶちまけている。
クロフォードは9月、米ラスベガスでサウル“カネロ”アルバレス(メキシコ)に3-0判定勝ちし、ボクシング史でも稀有な快挙を達成した。しかしWBCは、過去2試合の世界タイトル戦で規定の“試合料(サンクションフィー)”を支払わなかったことを理由に王座剥奪を決定。WBC側は「繰り返し連絡したが返答がなかった」と説明している。
■ SNSライブで怒り爆発「意味分からねぇよ」
これに対しクロフォードは、自身のインスタグラムでライブ配信を実施。
WBCのマウリシオ・スレイマン会長を名指しで批判した。
「一体お前は自分を誰だと思っているんだ? 金なんて払うかよ。リングに上がるたびに俺が払うのか? 意味分からねぇよ。命を懸けて戦っているのは俺だ」
さらに、サンクションフィーの仕組みに対する不満も露わにし、
「まるで税金のようだ。俺たちが払った金で、スレイマンがスイートに泊まって五つ星の食事をしている」
と、団体の経費構造まで問題視した。
■ “SNS時代の瞬発力”が生む、選手のストレートな言い分
クロフォードの発言は過激だが、SNSライブという“瞬時に全世界へ届く場”だからこそ、選手の本音がそのまま可視化される形となった。サンクションフィーを巡る議論はボクシング界でも長年続くテーマであり、「ファイターが命を懸けて稼いだ報酬から高額の団体費を引かれるのは妥当か」という根本的な問いに触れている部分もある。
一方で、WBCをはじめとする主要団体はランキング運営、レフェリー・ジャッジの管理、タイトルマッチの公認などに費用がかかることから、「団体の維持には不可欠」という立場も明確だ。
■ WBC側にも“業界の論理”がある
今回の件について業界関係者は
「ルールとして試合料は世界戦の公認料。
どの団体も同じで、払わなければタイトル維持は難しい」と指摘。
スター選手であっても例外はないというのがWBCのスタンスだ。
クロフォードは「WBA、WBO、IBFには払った」と主張しているが、WBCは「支払いがなかった」「連絡も途絶えていた」と説明。
両者の認識のズレも議論の火種となっている。
■ 王座は空位、暫定王者の統一戦を指令
WBCはすでに空位となった王座について、暫定王者クリスチャン・ンビリ(フランス)とハムザ・シーラーズ(英国)の決定戦を指令。クロフォードの“3階級4団体統一王者”は歴史に刻まれるものの、スーパーミドル級でのWBC保持期間は短命に終わった。

