日本テレビ・菅谷大介アナ、53歳で逝去・・・最期の瞬間までマイクの前に立ち続けた“生涯現役”のプロフェッショナル

日本テレビのアナウンサー、菅谷大介さんが
11月8日午後1時6分、消化管出血のため東京都内の病院で亡くなった。
53歳。22年からすい臓がんと闘いながらも、
亡くなる前日まで仕事を続けていたという。
まさに「生涯現役」を貫いた放送人だった。
菅谷さんは、亡くなる前夜まで汐留の日本テレビ本社で通常勤務をこなしていた。
帰宅後に体調の異変を訴え、病院に搬送されたが、そのまま静かに息を引き取った。
関係者によると、亡くなる6日前の11月2日には男子ゴルフツアー「フォーティネットプレーヤーズカップ」最終日の実況を担当。病を感じさせない声とテンポで、最後まで“現場の菅谷”であり続けた。
▪️病を公表し、伝える使命を胸に
菅谷さんは2022年1月にすい臓がんが判明。同年4月に腹腔鏡手術を受け、同年8月に公表した。
「自分の経験をアナウンサーとして伝えたいというのが原点。すい臓がんはネガティブな印象が強いですが、適切な治療をすれば社会復帰して頑張れる。同じ道を歩む人の参考になればと思いました」──
病を隠さず語る姿には、報道に携わる者としての使命感と誠実さがにじんでいた。
公表後も、アナウンサー部の次長として後進の育成や編成業務を担いながら、実況にも復帰。インスタグラムでは「#がんサバイバー」のハッシュタグを添えて、闘病と仕事の両立を率直に発信し続けた。
最後の投稿は10月26日。「パンコンチネンタルカーリング選手権2025」を実況した報告だった。その声が、彼にとって最後のオンエアとなった。
▪️“現場の声”を愛し続けた男
1997年に日本テレビ入社。報道番組「news every.サタデー」のキャスターをはじめ、箱根駅伝、ゴルフ、プロレス、そして平昌五輪の女子パシュート金メダル中継──多岐にわたる実況の現場で「言葉で感動を伝える」ことに生涯を捧げた。
「仕事をやめる理由が、病気であってはいけない」
闘病中に同僚へ語ったという言葉が、いま多くの人の胸に残る。
▪️最後までプロであり続けた生き様
病と闘いながら、最後まで放送現場に立ち続けた菅谷大介アナ。
その姿は、単なる“アナウンサー”の枠を超え、
働くすべての人に「プロフェッショナルとは何か」を問いかける。
静かにマイクを置いたその日まで、彼は現場に生き、声で人を励まし続けた。
生涯現役・・・その言葉を、最も真っすぐに体現した放送人だった。
