劇場版『チェンソーマン レゼ篇』100億円突破目前 配信版との相乗効果で新たなアニメ映画のスタンダードに
【©️藤本タツキ/ 講談社・MAPPA】
劇場版アニメ『チェンソーマン レゼ篇』が、公開3週目にして興行収入43億円、動員288万人を突破した。初週は12.5億円(動員80.7万人)、
2週目は29億円(動員196万人)と順調に数字を伸ばしており、
100億円突破の現実味が日に日に高まっている。
近年、『少年ジャンプ』原作の劇場版アニメでは100億円を超えるヒット作が相次いでいる。2024年公開の『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』は公開75日間で116.4億円を記録。『チェンソーマン レゼ篇』は初週からの伸び率が高く、公開日数ベースでハイキューを上回る可能性も指摘されている。
ヒットの背景には、コアファンの熱量やリピート動員に加え、テレビアニメを飛ばして劇場版を楽しむ新たな観客層の存在がある。全12話のテレビアニメを約3時間半に再編集したAmazonプライム・ビデオ版『チェンソーマン 総集篇』は、劇場版への導入として大きな効果を発揮。単なる総集編にとどまらず、テンポの良い編集と見やすい構成により、新規ファンでも入り込みやすい作りになっている点が高く評価されている。
さらに、『チェンソーマン』シリーズは海外でも高い注目を集めている。独自のダークファンタジー、斬新なキャラクターデザイン、緻密なアクション描写が、北米や欧州、アジアのアニメファンや評論家から支持を獲得。劇場上映や配信を通じて海外興収の拡大も期待される。NetflixやCrunchyrollに加え、Amazonプライム・ビデオの配信により、国際的なアクセスの容易さも格段に向上した。
公開3週目に入っても勢いが衰えない『チェンソーマン レゼ篇』。劇場版と配信版双方の魅力が相乗効果を生み、コア層から一般層まで幅広い観客を巻き込む力強さは、今後の日本アニメ映画の戦略とPRの新たなモデルケースとなりそうだ。