クロフォードがカネロ撃破も賛否渦巻く判定勝ち“歴史的偉業”に冷ややかな視線も

2025.9.14

【©️Netflix】

米ラスベガスで行われた4団体統一スーパーミドル級タイトルマッチは、テレンス・クロフォード(37=米国)がサウル・アルバレス(35=メキシコ)を3―0の判定で下し、史上初となる3階級での4団体統一を達成した。

スコアは115-113が2者、116-112が1者と大差はなく、

試合を見守った観衆の間では賛否が入り混じる結果となった。

 

試合はダウンシーンこそなかったものの、クロフォードがステップワークとジャブで主導権を握り、アルバレスの強打を寸前で外す展開。的確な連打でポイントを重ねたが、会場を埋め尽くした7万人超のメキシコ人ファンからは終始ブーイングが飛び交った。母国の独立記念日という特別な舞台で敗れたアルバレスの姿は、支持者にとって受け入れがたい結末となった。

米メディアは「歴史的勝利」と持ち上げる一方、一部のボクシング専門家は「接戦をジャッジがクロフォード寄りに見過ぎた」と指摘。

カネロの強打が的確に評価されなかったのではないかとの声もある。

クロフォードは会見で「カネロは偉大な王者。リスペクトしかない」と語ったが、そのコメントが逆に“判定勝ちへの違和感を隠す言葉”と受け取る向きも少なくない。

今回の興行はサウジアラビア総合娯楽庁の支援で実現し、Netflixを通じて世界配信された。巨大な資本とメディア露出に支えられた一戦だけに、「ビジネス的に作られた歴史」との皮肉も聞かれる。