井上拓真選手 vs 那須川天心選手 11月に夢の日本人世界戦実現か!兄弟で盛り上げる井上家がボクシング界を熱狂

2025.9.4

2025年11月、ボクシングファンが待ち望む大注目カードがついに現実味を帯びている。WBC世界バンタム級1位の那須川天心選手(27、帝拳)と、WBC同級2位で前WBA王者の井上拓真選手(29、大橋)が王座決定戦で激突する方向で交渉が最終段階に入ったことが明らかになった。

正式発表は早ければ今月下旬の見込みだ。

 

当初、井上拓真選手はIBF世界同級王座を狙うと見られていたが、両陣営は「ファンが見たいカード」を優先する方針で歩み寄り、WBC王座決定戦としての実現に舵を切った。

 

▪️王座を巡る状況と経緯

現在、WBC世界バンタム級王座は中谷潤人選手(M.T)が保持しているが、来年5月に井上尚弥選手(32、大橋)とのスーパーマッチに向けて返上する意向を表明。

そのため、空位となるWBC王座を巡ってランキング上位の那須川天心選手と井上拓真選手の対戦が自然な流れで決まろうとしている。

もし井上拓真選手が対戦しなければ、次の候補は元2階級制覇王者のファン・フランシスコ・エストラーダやその他上位選手となるが、条件面や交渉の複雑さから実現には難しいと見られていた。

両者の合意と「ファンが望むカード」という共通認識が、このビッグマッチ実現のカギとなった。

 

▪️那須川天心選手のマスコミ向けのコメント

天心選手は8月23日に地元・松戸で開催された「天心祭」で、井上拓真選手との対戦について語っている。

「ランキングで1位になった。自分が望んでいたわけではないが、王座が空いたので取りに行く。必然的なこと。2位が拓真選手なら、いつでもやる準備はできています」

初の世界挑戦ながら、相手が誰であれ戦う覚悟を見せた天心選手。ファンにとっては、これ以上ない夢のカードが現実味を帯びてきた。

 

▪️井上家の兄弟がボクシング界を熱狂させる

さらに注目なのは、井上家の「兄弟で盛り上げる状況」だ。来年の5月、兄・尚弥と中谷潤人の東京ドーム決戦が予定されており、その前哨戦として弟・拓真が那須川との王座決定戦に挑むことで、家族ぐるみで日本ボクシング界を盛り上げる構図が生まれる。大橋秀行会長も「ファンが見たいカードを実現するのがプロモーターの務め」と語っており、兄弟それぞれが持つ実力と人気でボクシング界全体の盛り上がりを牽引する形だ。

この兄弟の競演は、単なる試合以上の物語を提供する。家族で築き上げてきた井上家の挑戦が、日本ボクシング界、はたまた日本格闘技界の全体を巻き込んで大きな熱狂をもたらす。

【文:高須基一朗】