山本由伸投手 エース対決で雪辱 勝負どころで示した強いメンタル 7回1失点10Kドジャースを勝利へ導く

2026.10.7
【©️Los Angeles Dodgers 】

米大リーグのナ・リーグ地区シリーズ第3戦が6日(日本時間7日)、米ジョージア州アトランタで行われ、ドジャースの山本由伸選手がブレーブス戦に先発。7回98球を投げて4安打1失点、10奪三振の力投を披露し、チームを3―1の勝利へ導いた。

1勝1敗で迎えた重要な一戦。しかも相手先発は、2024年のサイ・ヤング賞に輝いたクリス・セール。山本選手にとっては、8月の直接対決で敗れた相手でもあった。

その舞台で山本選手は、数字以上に価値のある投球を見せた。


 

▪️「先制点」を意識 エースが見せた勝負への準備

山本選手が試合後に振り返ったのが「先制点」だった。

8月27日(同28日)の前回対戦では、山本選手自身も7回途中1失点と好投したものの、セールが完封。試合の主導権を握られたまま敗戦を喫していた。

だからこそ、この日の山本選手は序盤から相手に流れを渡さない。

初回、先頭打者からこの日の最速となる97.9マイル(約157.6キロ)を投じて空振り三振を奪うと、後続も打ち取り3者凡退。立ち上がりから球威と制球を両立させ、エース対決にふさわしいスタートを切った。

2回にはセーフティーバントを許したものの、後続を冷静に処理。

4回までブレーブス打線に二塁を踏ませず、2安打無失点。

球数も57球と、理想的なペースで試合を進めた。

 

▪️3点の援護を「攻める力」に変えた

4回、ドジャース打線が動く。

エンリケ・ヘルナンデス選手、フレディ・フリーマン選手の本塁打で3点を先取。山本選手にとって大きな援護となった。

しかし、ここからが本当の勝負だった。

5回、山本選手は連打を浴びると、1死一、二塁から代打テレス選手に四球を与え、1死満塁のピンチを招く。

3点のリードがあるからこそ、慎重になりすぎる可能性もある場面だ。

それでも山本選手は崩れなかった。

ボールドウィン選手を一ゴロに打ち取り、1点を失ったものの、続くアクーニャ選手を二ゴロに仕留めて最少失点で切り抜けた。

この局面こそ、この日の山本選手の強さが最も表れた場面だった。

大量援護を守ろうとするのではなく、失点した後も自分の投球を崩さない。勝負どころで必要となる強いメンタルが、ピンチを最小限に食い止めた。

 

▪️6回と7回は圧巻の3者凡退

最大のピンチを抜けると、山本選手はさらにギアを上げた。

6回、7回はいずれも3者凡退。

最後までブレーブス打線に反撃のきっかけを与えず、7回を投げ切ってベンチへ戻った。

マウンドを降りた山本選手を、デーブ・ロバーツ監督が出迎えて抱擁。大一番でチームの期待に応えた右腕をねぎらった。

山本選手は試合後、

「前回は先制点をとられて負けてしまったので、今日は先制点を意識しました。

チームメイトが3点取ってくれたので、そこでさらに思い切っていけるようになりました」

と打線への感謝も口にした。

自らが先制点を許さない。そして味方が奪ったリードを背負いながら、プレッシャーに飲み込まれず攻め続ける。

この試合で山本選手が示したのは、単なる球威や奪三振数だけではない。

勝負どころで自分の投球を維持する精神的な強さだった。

打線も強烈だった。

ドジャースはポストシーズン開幕から、この試合までの全10得点を本塁打で記録。MLB公式サイトの記録分析によれば、ポストシーズン開幕から本塁打だけで積み重ねた連続得点として史上最多となった。

これまでの最多は、2025年のドジャースと2022年のパドレスによる8得点。

投手陣が抑え、打線が一発で試合を動かす。

その中核を担ったのが、山本選手だった。

7回1失点、10奪三振。

山本選手は、前回敗れた相手に投げ勝っただけではない。

プレッシャーのかかる敵地での大一番の場面でこそ冷静さを失わず、

援護を力に変え、最後まで自分の投球を貫く。

大舞台で求められる「強いメンタル」を、

山本選手はマウンド上で結果として示した。

ドジャースが頂点を目指すポストシーズンで、エースの存在感はさらに高まった1試合だった。