空手ベースのストライカー 宮口龍鳳選手がDWCSで無念の1R TKO負け 63秒で止めらる

2026.10.7

日本の総合格闘技界からUFCを目指してラスベガスへ乗り込んだ宮口龍鳳選手が、10月6日(現地時間)、米ラスベガスのMeta APEXで開催された「Dana White’s Contender Series(DWCS)シーズン10・第9週」に出場。バンタム級でブラジルのマテウス・ソアレス選手と対戦し、1ラウンド1分3秒、パンチによるTKO負けを喫した。


 

▪️63秒で決着 ソアレスの右が宮口を捉える

試合は序盤から両者が打撃の距離を探る展開となった。

UFC公式の試合レポートによれば、ソアレス選手は開始直後からプレッシャーをかけ、宮口選手を後退させながら打撃を重ねた。宮口選手がジャブを出して前に出たところに、ソアレス選手がカウンターのワンツーを合わせる。

その右が決定打となった。

宮口選手が崩れると、ソアレス選手は追撃。レフェリーが割って入り、1分3秒で試合終了となった。

海外の「Sherdog」も、この試合を「63秒で決着した一戦」として速報。MMA専門メディア「MMA Fighting」も、ソアレス選手が宮口選手を1分あまりでTKOした結果を報じている。

単純な乱打戦ではなく、宮口選手の前進に対してソアレス選手がカウンターを合わせたことが、短時間決着につながった。

 

▪️宮口選手は「7勝のうち6KO」ストライカーの実績を携えてラスベガスへ

今回の宮口選手は、決して実績のない選手ではなかった。

UFCが試合前に公開したプロフィールでは、28歳の宮口選手はプロ戦績7勝1敗。7勝のうち6勝がKO・TKOという、明確なフィニッシュ能力を持つストライカーとして紹介されていた。

ベースは空手。

特に蹴りを武器とする選手としてUFC側からも紹介され、5月には「Road to UFC」でチュングレン・コレン選手と対戦している。

この試合ではサブミッションで敗れたものの、その後にDWCS参戦のチャンスを得た。

UFC公式は大会前、宮口選手について、Road to UFCで大舞台の雰囲気に飲まれた経験を踏まえ、「今度こそUFC契約を手にする」という意欲を持っていたことを紹介していた。

つまり今回のDWCSは、宮口選手にとって単なる海外遠征ではない。

一度失ったと思ったUFCへの道を、もう一度つかむための「再挑戦」だった。

 

▪️対戦相手ソアレスはUFCが注目する逸材だった

そして、今回の結果を考えるうえで重要なのが、宮口選手の対戦相手だった。

22歳のソアレス選手は、試合前の時点で11勝2敗。

UFC公式プロフィールでは、10勝がフィニッシュで、

そのうち9勝がKO・TKOだった。

つまり宮口選手と同じく、打撃で試合を終わらせる殺傷能力を持った選手だった。

ブラジル・リオデジャネイロ出身で、Rizzo RVTでトレーニング。

ムエタイと空手をバックボーンとするストライカーとして紹介されていた。

海外メディアの試合前予想でも、ソアレス選手は優位に見られ、

専門サイトの試合前オッズでソアレス選手を大幅な本命とし、宮口選手をアンダードッグと評価。

両者の打撃戦を予想したうえで、ソアレス選手のフィニッシュ力に注目。

結果的に、その評価が的中して63秒という形で表れた。

今回の試合で宮口選手にとって最も悔しい部分は、単に敗れたことだけではない。

ソアレス選手は、この勝利によってUFCとの契約を獲得した点だ。

DWCSは、通常の大会とは意味が異なる。

勝敗だけでなく、「UFCで戦わせたいと思わせるパフォーマンス」が契約の判断材料になる。

したがって、同じ1勝でも判定勝利と1RでのKOでは、その意味が大きく変わる。

今回の第9週では5試合が行われ、ソアレス選手を含む4選手がUFC契約を獲得した。

この日は、ソアレスを含む プレストン・ラグランジュ、サル・エベレット、ロケ・コンセイソンの4選手が契約を手にした。

つまりソアレス選手は、宮口選手を倒しただけではない。

「自分がUFCで戦う価値があること」を、わずか63秒で証明した。

ここにDWCSという大会の厳しさがある。

宮口選手が得意とする打撃戦において、対戦相手が正確に決定打を当てた。

世界最高峰への入り口では、その「一瞬」が勝敗を決める。

宮口選手は今回、UFC契約を逃した。

Road to UFCではサブミッションで敗れ、DWCSでは打撃戦でTKO負け。

異なる形で世界基準の壁を経験した。

ここから何を修正すべきかを明確にすることが、宮口選手の次のテーマになる。