MCU『ヴィジョンクエスト』にAIオールスター 集結 ウルトロン J.A.R.V.I.S.、F.R.I.D.A.Y.らが人間の姿に…ヴィジョンの「自分探し」が始まる
10月14日、ディズニープラスで独占配信
『ワンダヴィジョン』から続く物語が新章へ
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の
新作ドラマシリーズ『ヴィジョンクエスト』が、10月14日から
ディズニープラスで独占配信される。
主人公は、ポール・ベタニーさん演じるヴィジョン。
2021年の『ワンダヴィジョン』で大きな転機を迎えたヴィジョンが、今度は自らの記憶と存在そのものに向き合う。
しかも今回、ヴィジョンの内側には、かつてアイアンマンことトニー・スタークを支えたJ.A.R.V.I.S.(ジャーヴィス)、F.R.I.D.A.Y.(フライデー)、E.D.I.T.H.(イーディス)、研究室のDUM-E(ダミー)とU、
そして宿敵ウルトロンまで登場。
これまでスクリーン上で“声”や“機械”として描かれてきたAIたちが、人間の姿をしたアバターとしてヴィジョンの精神世界に集結する。
米国のエンターテインメントメディアも、今回のシリーズを単なるスーパーヒーロー作品ではなく、ヴィジョンのアイデンティティーや家族、そして「人間とは何なのか」を掘り下げる物語として報じている。
▪️ヴィジョンは「自分が何者なのか」を探す
『ヴィジョンクエスト』で描かれるのは、戦闘だけではない。
『ワンダヴィジョン』以降、記憶を取り戻したヴィジョンは、自分がかつてのヴィジョンと同じ存在なのかという問題を抱えている。
もともとのヴィジョンは、トニー・スタークが開発したAI「J.A.R.V.I.S.」やウルトロンの技術、さらにマインド・ストーンの力などを背景に誕生した人造人間だった。
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』ではサノスによって命を奪われ、その後『ワンダヴィジョン』ではS.W.O.R.D.によって再構築された“ホワイト・ヴィジョン”が登場した。
今回の主人公は、そのホワイト・ヴィジョンだ。
記憶を取り戻した一方で、過去の自分と現在の自分をどう結び付けるのか。
この「自分は誰なのか」という問いが、『ヴィジョンクエスト』の中心に置かれている。
米Entertainment Weeklyは、今回の物語をアイデンティティーや父子関係、自己発見を扱う心理的なドラマとして紹介。ポール・ベタニーさん自身も本作について、大きな挑戦となる作品だと説明している。
▪️最大の注目は11年ぶりに戻ってくるウルトロン
そして、MCUファンにとって最大級のニュースが、ジェームズ・スペイダーさん演じるウルトロンの復活だ。
ウルトロンは2015年公開の『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』で初登場。
トニー・スタークとブルース・バナーが平和維持を目的として生み出した人工知能だったが、人類そのものを地球の脅威と判断。
やがて人類の排除を目指す存在へと変貌し、アベンジャーズと激突した。
その最終局面でウルトロンのボディーは破壊されたものの、『ヴィジョンクエスト』では再びヴィジョンの前に姿を現す。
米国のSYFYは、2015年の『エイジ・オブ・ウルトロン』から11年を経てウルトロンが復活すると報道。近年、現実世界でもAIをめぐる議論が広がるなかで、ウルトロンという「人類に敵対したAI」の存在が改めて注目されると伝えている。
ただし、今回のウルトロンは単純な“過去の敵”ではない。
米国メディアの取材で、テリー・マタラス氏はウルトロンをヴィジョンにとって、いわば「父親」のような存在として説明。
ヴィジョンの精神世界には、ウルトロンのバックアップデータが残されており、完全に消滅したわけではないという設定が明らかになっている。
つまり本作では、
ウルトロン=かつての宿敵
という単純な関係から、
ウルトロン=ヴィジョンの“父”ともいえる存在
へと、2人の関係が大きく変化する可能性がある。
▪️J.A.R.V.I.S.が“人間の姿”で登場
ヴィジョンのルーツを語るうえで欠かせないのがJ.A.R.V.I.S.だ。
アイアンマンの誕生初期からトニーを支え、邸宅や研究施設、スーツのシステムなどを管理していたAI。
そのJ.A.R.V.I.S.が今回、人間の姿で登場する。
演じるのはジェームズ・ダーシーさん。
ここにはMCUならではの仕掛けがある。
ジェームズ・ダーシーさんは過去のMCU作品で、トニーの父ハワード・スタークに仕えていた執事エドウィン・ジャーヴィスを演じていた。
つまり、AIとしてのJ.A.R.V.I.S.に、かつてその名前のモデルとなった“人間のジャーヴィス”を演じた俳優が起用されたことになる。
米Rotten Tomatoesの現地取材では、制作側がJ.A.R.V.I.S.をヴィジョンにとって「兄弟のような存在」と説明している。
トニー・スターク、J.A.R.V.I.S.、ヴィジョンというMCUの歴史が、ここで一つにつながってくる。
▪️F.R.I.D.A.Y.、E.D.I.T.H.も“人間”になる
さらに、トニーの後期アイアンマン活動を支えたF.R.I.D.A.Y.も登場する。
F.R.I.D.A.Y.はJ.A.R.V.I.S.がヴィジョンへと移行した後、トニーの新たなAIアシスタントとしてアイアンマンの活動を支えた存在だ。
本作ではオーラ・ブレイディさんがF.R.I.D.A.Y.を演じる。
そして『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』で登場したE.D.I.T.H.も再登場。
E.D.I.T.H.はトニーがピーター・パーカーに託したサングラスに搭載され、膨大な情報へのアクセスや軍事システムなどを管理するAIだった。
今回、エミリー・ハンプシャーさんがE.D.I.T.H.を演じる。
米国の現地取材では、これまで“眼鏡の中のAI”だったE.D.I.T.H.が、今回は一人の人物として姿を見せることが大きな変化として紹介されている。
▪️DUM-EとUまで人間化 トニーの研究室から“兄弟”がやってくる
アイアンマンファンにとっては、さらに懐かしい存在も帰ってくる。
トニーの研究室で作業を手伝っていたロボットアーム、DUM-EとUだ。
映画『アイアンマン』シリーズでは、トニーの作業を手伝いながら、時には失敗してしまうユーモラスな存在として登場してきた。
『ヴィジョンクエスト』では、DUM-Eをヘンリー・ルイスさん、Uをジョナサン・セイヤーさんが演じる。
つまり今回のヴィジョンの精神世界には、
J.A.R.V.I.S.
F.R.I.D.A.Y.
E.D.I.T.H.
DUM-E
U
ウルトロン
という、MCUの歴史を彩ってきたAI・ロボットたちが一堂に集まる。
海外では、この特殊なメンバー構成から“AI Avengers”とも表現される動きが出ている。
ただし、単なるファンサービスではない。
制作陣によれば、それぞれのAIはヴィジョンが人間という存在を理解し、自分自身を整理していくための“仲間”として機能する。
▪️なぜAIたちは人間の姿なのか
今回のビジュアルで特に目を引くのが、AIたちが全員、人間の姿をしていることだ。
これまでJ.A.R.V.I.S.やF.R.I.D.A.Y.は基本的に“声”として存在し、E.D.I.T.H.はサングラスのシステム、DUM-EとUはロボットアームだった。
ところが本作では、ヴィジョンの「マインドスペース」に人間の姿をしたAIが存在する。
米Rotten Tomatoesの現地取材によると、ヴィジョン自身がAIたちに「人間のアバター」を求めているという設定がある。
つまり、人間を理解しようとしているヴィジョンが、自分の中に存在するAIたちを人間の姿にすることで、彼らとの対話を通じて人間性を学ぼうとしている構図だ。
ここが『ヴィジョンクエスト』をこれまでのMCU作品と違うものにしている。
敵を倒すためにAIを使うのではなく、AIとの対話を通して「人間とは何か」を考える。
その意味では、タイトルにある“Quest(探求)”そのものが、ヴィジョンの物語を表しているともいえる。
本作ではAIだけでなく、ヴィジョンの“家族”をめぐる物語も重要になる。
海外報道で注目されているのが、ルアリド・モリカさん演じるトミー・シェパードだ。
『ワンダヴィジョン』でワンダが生み出した双子の一人、トミーとの関係を思わせる存在であり、ヴィジョンとの間に新たな父子関係が描かれる可能性が示されている。
さらに、T’Nia Millerさん演じるジョカスタも登場する。
ジョカスタはコミックではウルトロンによって生み出された人造人間で、ウルトロンとの複雑な関係を持つキャラクターとして知られる。
2026年9月に公開された海外報道では、最新映像からジョカスタがヴィジョンと直接対峙する展開も注目されている。
ウルトロン、ヴィジョン、ジョカスタ。
3人の関係がどのように描かれるのかは、本作の大きな見どころだ。
▪️12月の劇場作品映画『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』へ何を残すのか
『ヴィジョンクエスト』が注目されるもう一つの理由が、その先に待つ大型作品だ。
『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』は2026年12月18日に劇場公開予定。
ディズニー公式情報でも、この作品は3つの異なるユニバースのヒーローたちが衝突し、MCUのマルチバース・サーガの最終章へ向けた重要作として位置付けられている。
『ヴィジョンクエスト』から『ドゥームズデイ』までの期間はわずか2か月あまり。
そのため、ヴィジョンが今後MCUの大きな物語にどう関わっていくのか、そしてウルトロンやジョカスタをめぐる設定がどこまで広がるのかにも関心が集まる。
もちろん、現時点で『ヴィジョンクエスト』の物語が『ドゥームズデイ』へ直接どの程度つながるのかは、すべてが明らかになっているわけではない。
だからこそ、作品そのものを見ながら伏線を追う楽しみも残されている。
それぞれのAIが異なる人格と役割を持つことで、ヴィジョンは過去の自分、トニー・スタークとのつながり、人間として生きる意味、そして家族について考えていく。
かつて人類と戦ったウルトロンと、人間を理解しようとするヴィジョン。
両者が同じ精神世界に存在するという設定そのものが、本作の最大のポイントになっている。

